casual dream
□first love -17-
1ページ/8ページ
y「・・・・」
部室でタカタカとドラムを叩いていた。
いや、殴り叩いていたっていうのが正しいのかな。
今日は2月14日、バレンタイン。
「寂しくなったら電話する」
水城はそう言ってたのに、一度も連絡がなかった。
こんなに会いたいって思うのも、会えなくていらいらするのも俺だけなのかなって思ったら、悲しいを通り越して頭にきていた。
そんな俺のことを少し離れたところからケンちゃんとテツくんが見ている。
最近、この二人の視線が痛い。
なんで、俺のこと、そんな目で見てんだよ。
そんなに俺、いらいらオーラ出してんの?ってよけいにモヤモヤが増した。
y「・・・ちっ」
フレーズを間違えた。
いつもはこんなところ、あっさり叩けるのに。
ガシャンとスティックを床に投げつけたとき、ドアの開く音がした。
『・・・よぉ、幸宏先輩』
そこにいたのは水城のクラスメイトの狩野。
なんで、こいつがここにいるんだよ。
タイミング悪ぃな。
もっとイライラが増すじゃん。
.