神への祈り

□‡第五話‡
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「魔法には違いないけど簡単な切り裂き魔法にすぎない
ガキでも使える初歩的な日常魔法の一つさ
その後の治癒魔法は難易度はちょっと上がるけど指定範囲が狭いからね、これまた日常魔法さ」


僕の脳内で繰り広げられる『朱衣(悪魔)は悪いものか』会議の事など知らずに彼女は説明しだした。


「あんたと逃げる時に使った奴は指定相手にしか効果を発揮しない上級魔法でね、めったに使わないレア物なの
あれやたら疲れるし」



……せっかく説明してくれている朱衣には悪いけど、言ってる事ははっきり言って意味不明で、でもやたら疲れるっていうのはわかった。
さっきの朱衣の顔色は半端じゃなかったから。

あの時の朱衣は凄く辛そうで見ていられないほどだった。
だけど今の朱衣はまるで別人だ。
元気になったっていうのもあるけど、なんだろう、独特の雰囲気を持っている。
根拠はないけど強い気がする。
そう、ただ者じゃないって感じ?


同じクラスの里山は空手で県大会優勝した猛者だし、あだ名がメスゴリの山下はケンカならその辺の男子より強い。
どちらも「やたら強い女子」だけど、朱衣とは違う。
なんだかよくわからないけど決定的に違う物がある。

根拠のない話だけど。
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