神への祈り
□‡第三話‡
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「具合が悪そうだよ!
大丈夫?」
「あたしのどこが悪そうなんだ!?
全くもって健康だ…」
強がってはいるが
つらそうなのがみえみえだ
「顔が蒼いよ!
熱があるかもしれない」
「黙れ…
疲れただけだから…」
疲れた?
走るのに疲れたのかな? 僕を引っ張りながら走っているし
「もっとスピードを落としたら?
このままじゃ倒れちゃう」
「うるさい…
走るのに疲れた訳じゃない…」
走るのに疲れた訳じゃないの?
「どうしてそんなに…」
「さっきの…赤い光は… 体力を使う高等呪文だ… さすがにあたしでも連発は出来ない
だが…奴らはもうまいた
心配しなくていい…」
それだけ言うと少女は小さく笑った
まるで僕を安心させるかのように
僕は口を閉じた
まだまだ聞きたいことは山ほどあった
少女の言う[奴ら]つまり白フード達は何者なのか
そして不思議な力を使うこの少女は何者なのか
でもその話はあとにすることにした
どこかでゆっくり休みながらの方がいい
でないとこの少女が倒れてしまいそうだった
そう決めてまた前を見た 白フードの姿はどこにもない
少女の言う通り、まいたようだった
ちょっと安心して走っていると、正面に白い塀が見えてきた
どうやら行き止まりらしい
…いや、左右に道がある T地路になっているようだ
それにしてもどこかで見たような景色だ
街灯といい、連なる家々といい…
僕は此処を知ってる!