神への祈り
□‡第二話‡
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ドスン
二人は地面に叩きつけられた
その瞬間
プシュッ
あの音が聞こえた
そしてゆっくりと海斗が振り向くと
少女が今まで立っていた所つまり二人の目の前の壁に裂け目が出来て深々と黄金の矢が刺さっていた
もし海斗があと数秒遅かったら
あの壁のように少女の身体に深々と矢が刺さっていただろう
海斗は怖くなって矢から目を背けた
そして自分の横で自分と同じように倒れている少女の方を見た
少女は金色の瞳を見開いて自分に刺さるはずだった黄金の矢を見つめていた
そしてゆっくりと海斗を見た
同じように少女を見つめていた海斗と目があった
その目は金の光を強く放ち海斗の黒い瞳を真っ直ぐに射ぬいた
半開きになっていた少女の口がゆっくりと動いた
「…いった…い…
…なに…が…?」
と、急に口を閉じた
見開かれていた目が、みるみる強い光を放ち出した
海斗から視線を外し、鋭い目付きで辺りを見回した
「まずいな…」
少女が呟いた
「…え?」