神への祈り
□‡第一話‡
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市ノ瀬海斗は十字路の真ん中に立っていた
地面も塀も家も屋根も…見渡す限り全てが白い
真っ白だ
空だけが真っ青な色を放ち、この街の白さをより一層際立たせている
…何故僕はこんなところに立っている?
僕は佐々木達と遊んでたんじゃないのか?
…あ…ぶな…い…?
そうだ、「危ない」だ…
確か立川に呼ばれたな…
「市ノ瀬危ない!
避けろ!」
そう、確かに危ないと言った
で、振り向くとサッカーボールが目の前にあった
うんうん、間違いない
で…いきなりだったから避けられなくて目をつぶったら頭にあたった
確かにあたった
でも…なんでだ?
全然痛くない
立川の蹴ったボールはとんでもなく強烈なのに
僕は石頭だったっけ?
で…目をあけたら此処に立っていた…
これは夢か?
立川のボールが強過ぎて僕は気絶してしまったのか?
此処はいったいどこなんだ?