虚像の騎士

□王女と母親
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今から18年ほど前

大国オレルシアの王宮で、一人の王女が産まれた 


母親である王妃ロウナと同じ漆黒の髪と瞳を持っていた 



子供は「アルシア」と名付けられ、可愛がられて成長した





彼女が産まれる2年ほど前産まれたばかりの息子を亡くした両親は、その子の分を含めてか、アルシアを目に入れても痛くないほど可愛がった 





沢山の国民も、王女の誕生に心から喜び、三日三晩に渡る祝祭を開いた 



誰もが歌い、踊り、そして笑った 

オルレシア王国の王女アルシアは、国民にとっても大切な存在になろうとしていた 


亡くなった王子の代わりのただ一人の王の子供

彼女が3つになる時まで、何事もなく幸せが続いていた

これからたくさんの出来事が彼女を、そして王国を揺るがせていくとは知らずに




初期微動は、母親ロウナだった



彼女は、昔から病弱だった

風邪を拗らせたりなどとことあるごとに倒れ、人々を心配させていた


アルシア誕生後は、二度目の出産で体力が残されていなかった



日に日にやつれていき、アルシアが3つになった直後、遂に歩けなくなった
食事も喉を通らなくなった





医者にも、もう二度と立ち上がれないとまで言われた

国王には、あと一年が限界とまで言った 




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