虚像の騎士

□祭の後
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一夜の夢のような宴も終わり、ルーキシス達は帰ることになった 



オルンの国王達と別れの挨拶を長々と行い(もちろんリリアナが)、来た時と同じ豪華絢爛な馬車に乗りこんだ 




オルレシアを共に出てきた護衛の兵達は、オルレシアとの国境ぎりぎりの街グラセラで待機している




この街はオルン王国に配置しているが、オルレシア王国に近い為貿易が盛んで非常ににぎやかだ 




この街までオルンの兵が護衛につき、そしてオルレシアの兵と代わって帝都へ向かう





「長い旅だね」



ルーキシスがこれからの旅を思い憂いていると、クラウスが窓からこっそりと囁いた




ルーキシスもリリアナに見付からないようにこっそりと肩をすくめるとレイルリアがクスクス笑った





まだ妹にはクラウスと仲良くなったことなど話していないはずなのに、兄の事は全てお見通しのようで、クラウスと親しげに話す兄を見て驚く素振りを見せなかった 




そんな他国の王族兄妹を見て、クラウスは優しく微笑んだ 




「また来てくださいね 

いえ、今度は私から参りましょうか」




3人に笑いかけながら言い――後半の台詞は確実に兄妹を見て――クラウス王子は優雅に手を振った




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