虹の橋

□第二章 虹の橋のたもと
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天国とこの世を結ぶ橋がある。

その橋は、様々な色合いから「虹の橋」と呼ばれている。
虹の橋の一歩手前には草地や丘、青々とした緑あふれる谷がある。
大切な動物達は、死ぬとその場所へ行くのです。
そこにはいつも食べ物と水があり、気候はいつも暖かいまるで春のようです。

年をとって、からだが弱っていた者でも、ここへ来て若さを取り戻し、
からだが不自由になっていた者は、元どおりの健康な姿になる。
そして一日中いっしょになって遊んだりしている。
だが、橋のそばにはみんなと様子が異なるものもいるのです。

疲れ果て、飢え、苦しみ、誰にも愛されなかった動物達です。
他の動物たちが一匹また一匹と、
それぞれ特別なだれかと一緒に渡っていくのを
とても悲しげに眺めているのです。

彼らには特別なだれかなどいない。
生きている間、そんな人間は誰一人現れなかった。
しかし、ある日、動物たちが走ったり遊んだりしていると、
橋への道のかたわらに誰かが立っているのに気づくのです。
彼はそこに繰り広げられている友の再会をものほしそうに眺めている。

生きている間、彼は動物と暮らしたことがなかった。
彼は疲れ果て、飢え、苦しみ、だれにも愛されなかったのです。
そんな彼がポツンと立っていると、愛されたことがない動物が
どうして一人ぼっちなのだろうとそっと近づいてくのです。
すると、なんと不思議なことが………。
愛されたことがない動物と愛されたことがない人間が互いに近づくにつれ、奇跡が起こるのです。
なぜなら、彼らは一緒になるべくして生まれたからだ。
この世では決してめぐりあえなかった特別なだれかと大切な動物として。
今、やっと「虹の橋」のたもとで彼らの魂は出会い、
痛みや悲しみは消え、友はいっしょになるのです。


そして、いっしょに「虹の橋」をわたり、もう二度と別れる事はないのです。

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