白黒羽扇
□黒が白に"染まる"とき・2
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…っ……!? … … …。
落ち着け、いや、落ち着いてはいるぞ?
しかし、何故このような所にこ奴が!!
当の使者はというと、穏やかな笑みを浮かべた表情は一切動かさず、その視線は我が主、曹操に注がれていた。
身なりは違えど、間違いなく、以前魏の領地内の町の一角で、手を握る等してきた奴だ。あの時、「いずれまた会うことになる」とか言っていたが、まさかこんな形で再会しようとは。蜀の者だったのか…。
ん?蜀の者が、なぜ変装してまで魏の領地内へ?
喉が貼りつくような不快感を覚え、こくりと唾を飲み込んだ。
「蜀から参りました、諸葛亮孔明と申します」
涼やかな声が、しんとした空気を切り裂くように響き渡った。