白黒羽扇


□黒が白に"染まる"とき・3
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「私が、ですか……?」

「今の我が国の現状、そなたが知らぬはずはないだろう。そなたに出向いてもらうしかないのだ」

「しかし……」

「わしに刃向かう者は、……そなたとて例外ではないぞ」

曹操の考えがそこまで固まっている以上、いくら私が足掻こうがどうにもならない。
内心溜息をついて、腹を括った。

「……。かしこまりました。必ずや、連れ帰りましょう」

歯噛みしたい気持ちを抑え、深々と礼をして退室した。
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