刹那連鎖
□魔法使いと死ぬ気の炎〜禁じられた呪文!?〜
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とある日の闇の魔術に対する防衛術の授業の時間。
一人一人ムーディによって、服従の呪文を掛けられ、なんの躊躇いもなく言うことを聞いていく中で、ハリーだけが僅かに抵抗する様を見せる。
そして、綱吉達六人の番が来た。
まず最初は、当然のように綱吉が。
「なぁ、どうなると思う?」
マルフォイが、隣の骸をつつき。
「……ドラコ。綱吉くんに『服従』の呪文なんて効くと思います?」
「いや……、正直無いと思う」
「そういうことです。……まぁ、見てればわかりますから」
「インペリオ、服従せよ!」
骸が言った瞬間に、ムーディから綱吉に向けて呪文が放たれた。
綱吉がかくん、と首を垂らす。
「さぁ……机の上に飛び乗るのだ……」
誰も完全には抗えなかったその言葉。
だがしかし、相手は綱吉である。
命令などなんのその。
首を左右に振って、何かを振り払うような仕草を見せた後、顔を上げる。
「……なんか、頭の中にもやがかかったみたいになるな、これ」
「ほら、ね?」
「……なるほど」
骸に言われ、マルフォイも納得した、と頷いた。
「なんと!本当になんとも無いのか?」
ムーディが唸る。
「えぇ。だって、他人の命令を聞くなんて絶対嫌じゃないですか」
「……どこの俺様なんだ」
綱吉が良い笑顔で告げる言葉に、マルフォイが的確にツッコんだ。
彼らと過ごすことで、マルフォイのツッコミスキルは確実に右肩上がりの成長を見せている気がする。