刹那連鎖

□魔法使いと死ぬ気の炎〜サンドリヨン〜
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「はぁ!?劇?なんで俺達が!」


綱吉が驚くのも無理はない。
その劇とやらを発表する場が、ボーバトンとダームストラングとの交流の場なのだから。


「大体何故僕達なんですか。他にもふさわしい人材がなにかいるでしょうに」


「仕方ねぇだろ。満場一致でお前らって事になったんだ。……ちなみに、キャストには俺も含まれてやがる」


と、リボーンは忌々しげに舌打ちする。


「……つまり、いつものごとく拒否権は無いと」


「ま、そーいうことだ」


いつものごとくの無茶ブリに、段々慣れてきた綱吉達だった……。








「……それで、その劇ってのはどうやるんだ?」


山本が若干楽しそうに訊ねる。


「コイツだ。脚本は既に出来てるらしい。確か、この曲をモチーフにしたらしいが……」


「サンドリヨン……灰かぶり姫ですか?」


「何処の国の言葉だ?」


山本が聞く。


「フランス語だね。日本ではシンデレラとして有名だけど」


雲雀が答え、成る程、と山本が納得する。


「これがそのもとになったっつー歌っすか、リボーンさん?」


獄寺が持つ台本を覗き込む。






朝まで踊る夢だけ見せて
時計の鐘が解く魔法

曖昧な指誘う階段
三段飛ばしに跳ねていく

馬車の中で震えてた
みじめな古着 めくり廻れ夜の舞踏


見知らぬ顔探す 囁くあの声が
握り締めた刃衝きたて すべてを奪えと
孤児(みなしご)集う城
笑み仮面に描いて

偽りの慈しみさえ
羽で包む熾天使(セラフ)


灰の中で赤く溶けて混じる硝子の靴


今更帰る震えているの
あなたが目をやる時計

靴脱ぎ踊るスロープ抜けて
喉まで伸びる指の先で

すくう雫口付けて
走る衝動 背骨抜けていく刹那


鐘は鳴らさないで あなたにひざまずき
まだダメと叫んだ右手が
突き刺すサヨナラ


消せない硝煙を香水にまとう姫
強い瞳僕の凍った 仮面ごと撃ち抜く


今も耳にあなたの吐息が
突き刺さるの遠い夢

ステンドグラスごし光る月が

君にかぶせたベール


ドレス膝で裂いて ティアラは投げ捨てて
見つめあう瞳と瞳が 火花を放つ

孤独な魂が炎あげ惹かれあう
その涙すくえないなら まるで一人遊び


時よ止まれ今は あなたに酔いしれて
揺れる鼓動一つ一つを 刻み付けてたい

とどまれ熱く濡れ 打ち付ける昂まりに
これ以上は動けないよ 
まるで御伽噺(フェアリィテイル)






―――――――


ボカロオリジナル曲
『サンドリヨン』を使わせていただきました。
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