刹那連鎖
□魔法使いと死ぬ気の炎〜クィデッチ!?〜
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「クィディッチ?俺たちが?」
座って話を聞いていた綱吉は驚いて瞳を見開いた。
その下にいた(で、正しい。二人は同じ椅子に例のごとく座っていた)雲雀もまた、その提案にハリーの方を振り向いて反応を返す。
「うん、クィディッチ。どうかな、と思ったんだけど」
と言いながらハリーは持っていたファイアボルトを持ち上げ、にこっと笑みを浮かべた。
「いや、俺達は……そのちょっと遠慮するっていうか……」
言いかけた綱吉の襟首をガッと引っ付かんでハリーは耳元に口を寄せた。
雲雀は僅かに眉をしかめたが、相手はハリー。綱吉に何かをすることもないか、と黙って見ていて。
「実は、女の子達に頼まれちゃったんだ。綱吉くん達にクィディッチやってくれ、って頼んで欲しいって。それで、その……断られたら後が恐い……んだけど」
ハリーに必死で頼み込まれ、綱吉はつい頷いてしまっていた。
「で、こうなったわけですか」
競技場に出る前の更衣室、男子部屋(クロームは部屋で着替えている)にて、ジョージ達から借りたグリフィンドールのユニフォームを着ながら骸達はため息をついた。
対する綱吉は拝むような格好で頭を下げ。
「ごめんって……。ハリーからあんな必死に言われたら断れないだろ?」
「ご、ごめん……」
「ハリーは悪くありませんよ。お気になさらないで……ひっ!?」
着替えている途中に、急に骸の声がはねあがった。
「細いな骸〜」
「華奢だな〜」
「こ、腰をいきなり掴まないで下さいこの大馬鹿双子!」
顔を真っ赤にして怒鳴る骸に、全く怖くないのだろう、双子はにやにやしながら離れた。
「骸……取り敢えず、同情するよ」
雲雀は哀れむような目で告げるが、双子の暴走は止まらなかった。