発火能力ーパイロキネシスー

□FILE1.5 能力テスト
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「じゃあ次は雲雀、六道、髑髏の三人にも同じことをしてもらおうか」


ナルの言葉に驚いた綱吉が口を開く。


「三人も……か?前にも言ったが、俺以外にここに超直感を使えるやつはいないぞ」


「念の為、だ。まずは雲雀から」


「……分かったよ」


渋々了承した雲雀が、綱吉の座る位置と入れ替わる。



















先程の流れと同じ様に、三人が終わる頃には三時間以上が経過していた。


結果は、


「ふむ……雲雀が738回と……全て。六道が252回と23回。髑髏が423回と147回、か。なるほどな」


なお、電流が流れるにしろ流れないにしろ、光るボタンを押した回数が数えられている。


「ねぇナル。これって、だからいったい何が分かるの?」


麻衣の、待ちきれないと催促の言葉に、ナルはため息をつきつつも説明を開始した。


「つまり、だ。千回も同じ事を繰り返せば、確率は揃ってくる。4つのボタンのうち、点灯する1つを押せる確率はいくつだ、麻衣」


「えーっと……25%?」


「そうだ。つまり、250回よりも点灯回数が多くても少なくとも、それは異常だということになる。次に、電流の有無。これは危険察知能力だな。点灯したボタンを押す回数が少なければ少ないほど、危険察知に優れていると言える、が……」


ここで言葉を切ったナルが首を傾げた。


「どしたの、ナル」


「いや……雲雀の、全て電流が流れるボタンを押したと言うのが不可解でな」


「ああ、それなら多分、恭弥くんは単純にスリルを求める人ですから。彼は危険を知って、敢えてその渦中に飛び込むことを望みますからね」


骸の説明は的を射ていて、綱吉とクロームが笑う。


「成る程な。六道は、普段は通常の人間と変わらないが、危険察知に関しては相当敏感と見て良い。髑髏の方は、通常でも危機でも、どちらも常人以上のカンの持ち主だと言えるな」


「えーっと……つまり?」


麻衣がわけがわからん、という顔でナルを見つめる。


「はぁ……。つまり、全員力の差はあれど、シックスセンスの持ち主だと言うことだ。ずば抜けているのは綱吉だろうが、全員のカンもバカに出来ない」


「へ、へぇ〜!」


「……わかっていないだろう、麻衣。ここにいる4人が4人とも、……まぁいわゆる、超能力を持っていると言って差し支えはない」



今度こそ理解した麻衣が、ようやく絶叫するのだった。
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