王が見たのは短い夢
□たまには、休息を。
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「それでは同盟を結ぶ、という形でよろしいですか?」
リベルタを名乗りだして少し経ったころ。
徐々に話題となりつつあった綱吉達は、毎日謁見やら内部仕事やらで休みもない日が続いていた。
「勿論ですよ。あなたのような素晴らしい方と同盟を結べるとは、幸運であるとの一言につきる」
そう言って、新たに同盟関係となったマフィアのボスは心底嬉しそうに微笑んだ。
「いえ、こちらこそ。まさかリベルタと同盟を結んで頂けるとは思いもよりませんでした」
そう言って穏やかに笑う綱吉に、初老の紳士はそれにしても、と言葉を発する。
「ボンゴレ10代目の幹部連中は余程の愚か者集団ですね。貴方のように相応しき後継者を捨て、何の能もない人間をボスにするとは」
「彼等には彼等なりの考え方があったのでしょう。『赤の他人』の陰口を言うのは少々苦手ですので、余り強くは申せませんが」
赤の他人、の言葉の裏の意味を汲み取って、その紳士は笑う。
「そうでしたな。コレは失敬。あなたと彼等は『なんの関わりもない』のでした。あなたの事は彼等には伝わらないでしょう。……いえ、寧ろ今のボンゴレを相手にまともに取り合うものなどおりはしませんでしょうな」
「……そう、ですか。最強とまで呼ばれたボンゴレが……。少々、哀しいことではありますね。
……では、申し訳ございませんが、そろそろ……」
綱吉がなにかを思い出すような素振りを振り払って、紳士に微笑んで申し訳なさそうに言った。
「おお!予定の時間より随分長居してしまいましたな、申し訳ない。では、失礼いたします」
「すみません、急かしてしまって。……クローム、玄関までお送りして差し上げて」
部屋に控えていた美少女は無言で綱吉に礼をして。
「どうぞ、こちらです」
紳士が出て行った後、綱吉はふぅ、と溜め息をついて。
「あ、この書類、恭弥さんに届けなきゃ」
任務の領収証を手に持って、綱吉は雲雀の部屋へと向かった。
「恭弥さん、失礼しますね」
ノックして入った扉の先には、シンプルに整頓された部屋があった。
中のソファーで伊書を読んでいたらしい雲雀が顔を上げる。
「どうしたの?」
「あ、この間の任務経費の領収証です。渡しとこうと思って」
「そんなもの、他の連中に届けさせれば良かったのに」
「そうはいきませんよ。俺が動かなきゃ、皆ついてきませんもん」
「君はやり過ぎ。……たったいままで確か会合だったんでしょ?」
雲雀の言葉に綱吉が頷くと、彼は溜め息を吐いて。
「……ほら、クマも出来てる。ちゃんと寝てるわけ?」
「大丈夫ですよ!昨日だって3時間も寝ましたし!」
「それは寝てないっていうんだよ……。……仕方ないね」
「へ?うわっ!」
ソファーで隣同士に座っていた筈が、雲雀に引っ張られ、そのまま膝の上に倒れ込んで。
……いわゆる、膝枕。