発火能力ーパイロキネシスー
□FILE1 旧校舎怪談
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「なるほど。つまりナルは、霊がいることを前提にした行動ではなく、霊の存在の有無を調べることからスタートしてるんですね」
「その通りだ。そのために様々な機材を使って計測をしている」
「一般的な霊能者はもっと胡散臭いイメージがあったよ」
ジョンの前でそう言える雲雀はある意味流石である。
綾子とぼーさんは、旧校舎の中を見てくる、と言って別れた。
もともと、どちらかと言えば同業者という時点でライバルなのだから、その行動は普通であろう。
「ここがベースだ」
道中でナル達の仕事内容、そして今回の依頼についての話を聞いていた綱吉達は、機材だらけの部屋を見ても流石に驚かなかった。
「……へえ、サーモグラフィーに赤外線暗視カメラか」
「すごい……超高感度カメラ、まであるんだ……」
「これはオープンリール式のテープレコーダーですか。初めて見ました」
「ああ、カセットより録音時間が長いんだっけ?確かに長時間録音するならこっちの方が便利だね」
「え……ちょ、4人とも、その機械なんなのか分かるの!?」
麻衣が呆然と見ながら突っ込みを入れる。
そりゃ、自分が数十分前にイヤミと皮肉のオンパレードと共に聞かされた説明も要らずにわかったとなれば、つっこみたくもなるだろう。
「あー、うん……まぁ。色々見る機会があるからな」
「知っているなら話は早い。設置方法は分かるか?」
「……多分、これなら大丈夫だと思う」
「そうか。ならさっそく……」
「ナル。……このカメラ。この人、誰?」
設置しに行け、と言おうとしたナルを遮ってクロームが指差したカメラには、日本人形のような艶やかな着物を着た少女が映り込んでいた。