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「はぁ…はぁ……ふこーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

上条当麻は走っていた。
後ろから追い掛けてくる不良から逃げるために。


(なんで俺が追い掛けられないといけないんだよ!『零』の俺が!)


「待ちやがれ!」


「待てって言われて誰が待つんだよ!!」


振り返ってみれば、あの時ちょっと知り合いの女の子が不良に絡まれているの見かけて、柄にもなく助けてやろうと思ったのが間違いだった。


(あーもうめんどくさい!)


当麻は速度を緩めると、裏路地へと入っていく。
不良どもは当麻が諦めたのだと思ったのか、にやにやしながら追い掛けていった。


「よーやく、捕まってくれる気になったかぁ?」


その言葉にニヤリとする。
相手は5、6人。
彼にとっては余裕な人数だ。


「捕まるわけ、ないだろ!!」


言い切ると同時に殴りかかり、近くにいた一人を気絶させる。


「な、てめぇ!おまえら、やっちまえ!」

一人が気絶させられた事に固まっていたが、その声を皮切りに一斉に襲い掛かっていった。
しかし当麻をそれに綺麗にかわしていく。
そして一人ずつ確実に沈めていっき残りがあと一人になった時だった。


「お?」


どうやら最後の一人は能力者のようで、炎の玉が飛んでくるがそれも難無く飛んでかわす。

かわすと同時に能力者が床に手をついた。


「これでも喰らいやがれ!」


すると当麻のちょうど着地地点に炎の柱が上がり、当麻を飲み込んだ。


「はは、ざまぁみやがれっつぅだ」


「ふふふ………」


「んぁ?」


突然聞こえてきた笑い声に彼は怪訝そうに眉を潜めた。


「ふふふ……ふははは…あはははははははは!ざまぁみろだ?誰に向かっていってるんだ?」


「な!?」


その瞬間、立ち上っていた炎柱が一瞬にして消滅し、そこには無傷の上条当麻が立っていた。


「この程度で…俺を倒そうってか?笑わせるな」


「ひぃっ!」


当麻は不気味な笑みを浮かべながら、ゆっくりとボスらしき奴に近づいていく。


「学園都市第零位をなめんじゃねぇよ」


ゆっくりと当麻は右手を上げ、彼に向けた。


「っな?零位……だと?そんなの聞いたことないぞ!?」


「そりゃあそうさ。最重要機密事項だからな。って事で、じゃーな」


「うわぁぁぁぁあああ!」

右手から光が放出され、彼に当たると同時に意識を奪った。
けれどそれは身体を傷付けるものではなかったようで、横たわる彼には何の外傷は残っていなかった。
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