カエル畑DEつかまえて
□カラス畑DEつかまえて☆彡
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とある架牡蠣の山の上
烏天狗の夫婦がおりました
「よし、風羽。子作りするぜ!」
「御意」
というわけで、夫婦には可愛い子供が授かりました
「……待てや」
「お、なんだ師匠?」
「なんだはこっちの台詞や。なんやねんこのあっさりした展開は」
「子供ができたんだぜ!」
「出来たっちゅーか生まれとるやないか」
「はっはっは! 目出てえぜ!」
わかめ天「あ゙あ゙ん?」…もとい、烏天狗の前にはそれはそれは可愛らしい子烏が3匹よちよち歩きで歩いています
「放し飼いか」
「ゆとり教育って奴だぜ」
「あかんやろ、それ」
毒舌の割に常識人な独し「ほー。ええ度胸やな。俺に喧嘩売るとは」…もとい、独身貴族な烏天狗「いっしょやろ」は、赤ん坊烏を抱き上げようとしました
が、ちょうどその時、弟子の美しい奥方が足音もなくしずしずとやってきました
「おお、千木良先輩。こんにちは」
「はいはいこんにちは。……どうやら、産後の肥立ちも良好みたいやな」
「お蔭様で」
「……………」
「どうなされました、千木良先輩」
「いやな、お前に乳があんのも妙な眺めやと思ってな」
「失礼な。私とて哺乳類の端くれ。生まれた時から二つの乳がついています」
「ああ、そういえばそうやったな。あるかないかわからん貧相なのが」
烏天狗が哺乳類かはさておき、烏天狗(モジャの方)はニヤリと嫌〜な笑みをうかべました
立派なセクハラです
しかし奥方はたいそう肝が太かったので、気にもとめません
それどころか
「おぎゃああああ」
「失礼。子供がお腹を空かせたようです」
ぺろんと服を剥きかけた瞬間、烏天狗は日頃のだらけた態度をかなぐりすてて言いました
「出すな」
「む。しかし子供が」
「ええから。つうか、俺に言わすなや」
「気にすんな師匠! 俺なんか毎日見てるんだぜ!」
「………………勝手にせぇ」
くるりと後ろを向いた烏天狗は、毒舌に似合わぬ紳士でありました