ピアノの森小説

□誘惑
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一ノ瀬の精液を搾り取ると、私は下肢から顔を上げる。
目の前に、放心しきってだらしなく口を開いた一ノ瀬の顔。
私の愛撫によって乱れてしまった一ノ瀬が愛おしくて、あやすように髪を撫でる。
「カイ、すごく可愛かった」
荒く息を吐きながら、一ノ瀬がゆっくりと私に視線を向ける。
快楽にさいなまれた身体は、だいぶ感覚が鈍くなっているようだ。
「・・・はあ、・・・ん」
私は一ノ瀬をピアノから降ろすと、椅子に座って向かい合うように私の脚に乗せる。
大人の腕で抱きしめると、折れてしまいそうな身体。
「カイ、・・・カイ」
恋しい人の名前を呼びながら、何度も髪に口付ける。
一ノ瀬がくすぐったそうに、僅かに微笑んだ。
「阿字野は・・・、ほんと俺に夢中だな」
楽しそうに、不敵な顔をつくる。
この子供は、簡単に私の心情を読んでいた。
「大人をからかうのはやめなさい」
説得力のない、臆するような自分の声。

再び唇を合わせると、小さな舌が積極的に私の口内に入ってくる。
「ん、・・・ふ、んんっ・・・」
ようやく口付けに慣れてきたらしく、一ノ瀬は上手に息を逃す。
口の中で淫らに動く小さな舌に、私の方が翻弄されてしまいそうだ。
キスに酔いしれた私は、細い腰に回していた手を、そろそろとスカートの下に移動させた。
「んっ!・・・んっ、んっ・・・!」
指がちっぽけな蕾に触れると、一ノ瀬の舌が引っ込む。
私はそれを追い求めるように、深く舌を突き入れた。
「・・・っ、ん・・・、はっ、・・・や」
後ろに指が埋め込まれ、一ノ瀬が思わず顔を背けた。
優しく指を出し入れさせて、念入りにそこをほぐす。
「あ、あ、・・・あんっ、・・・やあ!」
一ノ瀬が頬を火照らせて、甘く鳴き始めた。
「ここ、気持ち良いのか?」
後ろを弄りながら、一ノ瀬の表情を窺う。
一ノ瀬は涙目で、私にすがりついてくる。
「や、抜いてっ・・・!変な感じがするから、やだっ」
イヤイヤと首を振って、快感を拒む。
「変じゃなくて、気持ち良い、だろ?」
証拠を突きつけるようにスカートを捲ると、未成熟な茎がささやかに勃起していた。

「あっ、ああっ!や・・・あんっ、あんんっ!」
下肢を襲う刺激に、一ノ瀬がたまらず嬌声を上げる。
後ろに咥え込まされた指は、二本になっていた。
「ひ、ひっ・・・!やだ、やだああっ!」
中をぐちゃぐちゃに掻き回すと、かよわい腰が震えだす。
「カイ、可愛いよ」
一ノ瀬の光悦した顔は、もう子供のそれではない。
すでに快楽の虜になってしまった一ノ瀬は、与えられる快感を素直に受け入れていた。
「い、阿字野・・・、きもちい・・・」
落ち着かなく呼吸を乱し、潤んだ瞳で私を見つめる。
もっと可愛い声が聞きたくて、ぬるぬると後ろを擦り付けた。
「やんっ、やんっ!いや、いやああんっ!」
声高に喘ぎながら、一ノ瀬が背中を反らせて身悶える。
私は誘われるように、ドレスから覗いたピンクの突起に唇を寄せていた。
「あああんっ!あ、あ、・・・も、やめてっ!」
一ノ瀬がビクビクと肢体を暴れさせる。
小ぶりな乳首を舌で厭らしくねぶって、後ろも指で激しく責め立てた。
「だめっ、だめえっ!や、や、出ちゃうっ・・・!」
切羽詰まったように私の頭を抱え込んで、一ノ瀬が限界を訴える。
私はがむしゃらに後ろを突き乱し、一ノ瀬を射精へと導く。
「あああああっ!!」
一ノ瀬がガクガクを腰を震わせて、私の腹に白濁を吐いた。


一ノ瀬が達したあとに、私は慌しく前を寛げた。
そこは弾けそうなほどに膨張して、解放を待ち望んでいた。
「カイ・・・」
ぐったりした一ノ瀬の小柄な身体を抱え直すと、精液でぐちゃぐちゃになった茎を握り込む。
「や、やだっ・・・!」
一ノ瀬が敏感に反応して、私の手を微弱に掴んだ。
私は抑えきれず、再度一ノ瀬の熱を沸騰させる。
「あ、阿字野・・・っ!やめて・・・!」
一ノ瀬が嫌がるのも構わず、私は大人の茎と子供の茎を擦り合わせた。
「や、や、・・・やあん!」
「カイ、すまない・・・」
二本の茎をぐちょぐちょに扱き上げると、狂おしいほどの甘美を催した。
私の昂りは暴走しすぎて、瞬く間に昇り詰める。
「っ・・・!」
そして私は純真な身体に欲望を吐き出した。


管理人さんは、こころよくドレスを譲ってくれた。
あんな状態のドレスはさすがに返却できない。
一ノ瀬は色んな意味で不貞腐れていた。
「ごめん、一ノ瀬」
酷い事をしてしまったと、己を悔やむ。
しかし私が謝ると、一ノ瀬は気まずそうに口を開いた。
「阿字野・・・、・・・俺の中に、・・・入れたいの?」
ちらりと私に視線を向けると、自分の言葉に顔を赤らめる。
私を気遣う健気な発言に、心を締め付けられた。
「無理はさせたくない」
そんな一ノ瀬の気持ちを和らげようと、小さな手を握る。
逡巡するように私を見たあと、一ノ瀬がいつもの強気な表情に戻る。
「・・・どうせテメーは無茶ばっかりじゃねーか」
悪戯な笑顔が零れる。
「遠慮は無用だぜ?先生」
「しかし・・・」
一ノ瀬の気丈な態度とは対照的に、私は情けない声しか出せない。

見兼ねて一ノ瀬が抱きついてくる。
「もっと・・・、俺を、欲しがれよ・・・」
艶っぽく耳元に囁いて、私を誘惑する。
言われなくても、私はおまえに溺れきっている。
カイ、できることならば、おまえの全てを奪い尽くしてしまいたい。
「愛してる・・・」
私はそう呟きながら、シーツに身体を沈めた。


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2008.06.09
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