ロック受話A

□躾
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あ。
「ばかっ!・・・っ、離せ・・・っ!」
またロックが、セッツァーなんかにキスされてる。
本当に隙だらけなんだから。
「んっ、んんっ・・・!」
ヤラシイ声まで出しちゃって。
ちゃんと自衛してくれないと困るんだけど。
俺は呆れた面持ちでふたりに近付いた。
「そこまでにしてくれる?」
ロックをセッツァーから引き剥がすと、その手を掴んで部屋を出る。

腕を引っ張られて、ロックが小走りに俺のあとについてくる。
「ごめん、エドガー、怒らないで・・・」
ふーん、自分が悪いって分かってるんだ。
だから余計に腹立たしい。
俺はその場で足を止めると、ロックに向き直った。
「・・・、」
俺の目の前に、ロックの気まずそうな表情。
その顔を両手で挟み込んで、触れるだけの口付けを施す。
「ロック、お仕置きね」
有無を言わさず、俺は冷たく笑った。

お仕置きと言っても、そんなに酷いことするわけじゃない。
いつも通り、ロックを気持ち悦くしてあげるだけ。
初めは痛がってたけど、最近ロックも慣れてきたみたいで、可愛く喘いでくれるようになった。
それでもやっぱりそこを弄られるのが嫌なのか、毎回泣きながら俺に許しを請う。
涙を零すロックって、すっごい加虐心を煽るんだよね。
心を犯されて泣いちゃうところがいじらしい。


ロックはまだ何もされていないのに、すでに小さくしゃくり上げていた。
拘束もしてないし、変なクスリだって使ってないのに。
これからされることを考えたら、逆に身体が疼いてくるんじゃない?
だってロック、最後はいっつも自分から求めてくるでしょ?
「泣くことないだろ」
俺は濡れた頬に指を滑らせ、涙を拭いてやる。
「だ、だって・・・、うっ、・・・」
ロックの涙は止まらない。
俺は溜息をひとつ吐くと、安心させるように甘く口付けた。
「ん、・・・ん、や・・・」
上体を起こさせて、すでに剥き出しになった全身を緩く愛撫してやる。
優しく胸を撫で付け、小さな痺れを沸き起こしてあげた。
「ん、んんっ・・・、ふ・・・」
泣きながら、ロックが俺の手を受け入れる。
とりあえずは、お仕置きのことを頭から離さないとだめだな。

俺は片手でロックの背を支えながら、キスを交わしていた。
ゆっくりと唇を舐めて、ロックの思考をあざむく。
「・・・は、・・・ん、ん、・・・」
逃げる舌を柔らかく唇で挟み込んで、快感に酔わせる。
胸を撫で回していた手を、軽く突起に触れさせた。
「あ、・・・あっ」
感じ始めたらしく、ロックが可愛く鳴く。
少しは怯えが紛れてきたみたい。
指で摘んだそこを、クリクリと捏ねてやる。
「あん、・・・あ、ああっ・・・」
「ここ、硬くなってきたね」
俺はロックの背中をしならせて、もう片方の飾りを唇で優しく啄ばんだ。
「や、・・・あんっ、あ、あ、・・・」
舌と指で与えられる気持ち良さに、ロックが淫らに喘ぎだす。
気付くと涙は止まっていた。

こうなれば、もう大丈夫だよね。
胸から顔を離すと、胡坐をかいた俺の上に、後ろ向きでロックを乗せる。
そしてそのしなやかな肢体を背後からぎゅっと抱き締めた。
「そろそろお仕置きの時間だよ」
俺は優しく、残酷な言葉を吐き付けた。
なるべくロックが怖がらないように、あやすように顔を覗き込む。
さっきまで少しは落ち着いたと思ったのに、ロックはまた泣きそうな顔になっていた。
「俺、もう・・・、エドガーを怒らせること、しないからっ・・・」
瞳を潤ませて哀願する。
「だからっ、・・・ごめんなさい、許して・・・っ」
ロックってば、ほんと俺を興奮させるの上手すぎ。
「でもロックが悪い子なんだから、躾は大事だよね?」
かくいう俺も、相当いい加減だと思う。
なんでもない些細なことが無性に気に入らなかったり、ただ単にロックを苛めたいだけだったり。
その都度理不尽にロックを叱咤して、お仕置きを強要する。


大臣が一番いい例。
たまたま現場を見られてしまったが、意外にもあいつはロックに惹かれ始めていた。
それならと、大臣をロックに夢中にさせるよう仕向けた。
同時にロックの心も操る。
掌の上で踊られたロックは、やっぱり大臣を放っておけなくなった。
それを逆手にとって、俺はロックを責め立てる。
俺の知らないところで、何度か会っているみたいだしな。
ロックが俺の元から離れる事はないと思うが、その危うさがたまらない。
もし大臣に心が逸れてしまっても、いずれは俺のところに戻って来る。
あの淫らな身体は、それほど俺を欲している。
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