ロック受話@

□心
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俺ってマゾなのかなぁ・・・。
最近ふと思うことがある。
エドガーの事は好きだし、エッチも嫌いじゃないっていうか・・・その・・・。
いつもエドガーは、優しくて酷いことをする。
恥ずかしい言葉で俺を追い詰めて、意地悪な指で俺を苛める。
そんな事をされているのに、やっぱりエドガーを嫌いになれない。
むしろ、それに感じてしまう自分が変態なんじゃないだろうか。
どうしても、あの声で囁かれると体が熱くなってしまう。
あの指が、口が、俺を快楽へと導く。
答えを出せないまま、悶々とした想いを抱えていた。


「今日は泊まってくんだろ?」
エドガーが仕事中の手を休めて聞いてきた。
「んー・・・・、うん・・・」
「なんだ、気のない返事だな」
俺はソファで、グダグダとクッションを抱き締めていた。
エドガーがそんな俺を訝しく思ったらしく、ペンを置いてデスクを立つ。
隣に座ると、顔を覗き込まれた。
「どうした?」
腕を引き寄せられて、エドガーと向き合う格好になる。
俺はなんとも言えない顔で、エドガーを見つめるだけだった。
「ん?」
エドガーがあやすように聞いてくる。
こういうときのエドガーは本当に優しい。
「何を言われても驚かないから、話してみなさい」
俺が言い出せずにいるのを察して、先手を打たれた。
相変わらず、俺のことよくわかってるなあ。
「・・・・ほんとに、怒ったり笑ったりしない?」
俺は疑わしそうに上目遣いで呟いた。
「俺が怒るようなことなのか?」
どうだろう?
怒られるようなことはないと思うけど・・・。

「んー・・・」
俺が再び視線を落とすと、腰を掴まれて膝抱っこ。
「俺、ロックを不安にさせるような事したかな?」
「・・・・・・・した・・・かも・・・?」
エドガーは少し驚いた表情だ。
「それはすまなかった」
俺まだ何も言ってないじゃん。
なんですぐに謝んの?
「俺に悪いところがあるなら言ってくれ ロックを悲しませるようなことはしたくない」
「いや・・・そうじゃなくて・・・、・・・・ちょっと恥ずかしいから言いにくい・・・・」
顔を背けて言葉を濁す。
エドガーが俺の頬にキスを落としてくる。
羽が触れたような柔らかいキスに、俺の小さなわだかまりが溶けていくようだった。
「くすぐったい」
思わず笑みが漏れた。
エドガーの指が俺の唇をなぞる。
口の端に息をかけられ、戸惑うように口付けされた。
「ん・・・・」
甘い甘い、優しい唇。
舌を絡められて、ゾクリとした快感が背筋を走る。

「や・・・・!」
不意に、エドガーの手が俺の胸を掠めた。
キスの余韻から醒めた俺は、その手を慌てて掴む。
「あ、違う・・・いやじゃないんだけど、・・・・そうじゃなくて・・・」
自分でも何を言っているのかよくわからない。
もういいや、この際はっきり聞いてみよう。
ウダウダと考えてても始まらない。
「エドガー」
「ん?」
「俺ってマゾかなあ」
「うん、そうだね」
・・・・・・・・・。
そうなの!?
「じゃ、じゃあ変態!?」
「いや、それはないと思うよ」
ちょっと安心。
エドガーがにっこり笑って続ける。
「俺は変態だけどね」
なんで嬉しそうに告白してんだよ。

そっか・・・俺、マゾなんだ・・・。
なんかショックだ。
「ロック、そんなことで悩んでたの?」
「そ、・・・そんなことって・・・」
俺にとっては夜も眠れぬほどの状態だったのに。
「わかって良かったね」
良いんだか悪いんだか。
なんとなくムカついて、唇を尖らせる。
「だってロックは、恥ずかしいことされると凄く感じるでしょ?」
「う・・・・」
それは自分でもわかっていた。
恥ずかしくて恥ずかしくて、でもその分快感も半端じゃなくて。
「ロックが嫌がることすると、凄く濡れてくるんだよ 知ってた?」
なんとなく・・・。
なんとなくはそんな気がしていた。
「だからついロックの事苛めちゃうけど、そうするとたまらなく可愛くてしょうがないんだよね」
そんな事さらっと言うな、恥ずかしい。
でもやっと納得。
「ロックがいっぱいヨガってくれると、俺は凄い興奮する」
耳に啄ばむようなキス。
そのまま耳たぶを噛まれる。

「そうだ、じゃあ今日はロックに意地悪しない」
エドガーが思い出したように言った。
「え・・・別に、・・・・俺はむしろそっちの方がいいし・・・」
毎回俺だけあんな恥ずかしい目に遭わされて。
手加減してくれるなら願ったり叶ったりだ。
エドガーが目を細めて笑った。
「ロックは本当に自分のことわかってないね」
「なにが・・・?」
不満そうにエドガーを睨む。
なんで俺本人より、エドガーの方が俺のこと知ってんだよ。
「そのうち気付くよ」
腰を引かれて唇を合わされる。
その行為の前とは思えないほどの、緩やかで優しいキス。
いつもなら早急に貪られ、眩暈がしそうなくらい激しく口内を侵されるのに。
「ん・・・、はあ・・・」
甘ったるい口付けに、気恥ずかしさを覚えた。

エドガーの手が、胸の飾りを弄る。
「あっ」
軽く触れる指先に、体の熱が呼び覚まされた。
・・・あれ?でも・・・なんか違うくない?
違和感を感じつつも、与えてくる快感に流される。
「あっ、あっ・・・」
「可愛いね、ロック」
なんだか、この「可愛い」すらも嘘っぽく聞こえる。
首筋をエドガーの舌が伝い、脇腹を撫でられた。
「んっ、んん・・・」
胸の果実を口に含まれて転がされる。
ほんとに優しいんだけど・・・なんだろ・・・?
脇腹を撫でていた手が下肢に伸ばされた。
「はあっ・・・あ・・・」
釦を外されて、ズボンの中に手を入れられる。
そのまま俺のそれにエドガーの手が触れた。
「んっ!」

・・・・・・・・・。
いや、なんか絶対違う!
ていうか俺がなんかおかしい!
正直、いつもより感じていない自分に気付いていた。
どうして・・・?
今までにされた、エドガーの愛撫が甦る。
恥ずかしい言葉を言うように強要されて、俺が観念するまで焦らされたり。
散々焦らされた挙句に、それでもイかせてもらえなかったり。
「あんっ!」
突然上げた嬌声に、自分でも驚く。
「ロック?」
あの時の意地悪な言葉と指を思い出しただけで、俺の体はありえないくらい反応した。
そんな自分に恥ずかしくなって、思わず手で口を覆う。
なんで、なんで・・・?
わけもわからず混乱していると、ひとつの答えに思い当たる。

ああ、そっか。
俺がそういう風にして欲しいんだ。
「されるから」じゃなく、俺が「されたい」のか。
俺はエドガーに意地悪されたい。
たくさん苛めて欲しい。
「エドガー、俺・・・」
すがるようにエドガーの腕に触れる。
綺麗な声が上から降り注ぐ。
「ね、わかったでしょ?」


「ロックは、どうされたい?」
いきなりそんな事言われても。
俺にも少し考える時間を与えろ。
「言わなきゃしてあげないよ?」
早速それかよ。
でもやっぱりそういう言い方されると・・・俺の中に被虐心が芽生える。
「ほら、教えて?」
「ひっ!・・・あっ、あ・・・!」
エドガーの手が、幹の先端をグリグリ刺激する。
突然の衝撃に、とんでもなく感じてしまう。
やっぱり俺はマゾらしい。
耐え切れなくなって、俺は言葉を吐いた。
「・・・・焦らされて・・・・エドガーにいじめられたい・・・」
「うん、いっぱい苛めてあげるね」


「あんっ、あっあっ、エド・・・!」
指で中を弄られて、俺の悦いとこばかりを責め立ててくる。
「ロックのここ、すっごい喰い付いてくる」
「あっ、・・・言うなよ、ばか!」
言葉でも苛められ、羞恥心が煽られる。
陰茎の根元には、ご丁寧にも青いリボンが結ばれていた。
でもそこには一度も触れてもくれない。
「エドガ・・・、も、ほどいて・・・っ!」
「ダメ ロックが望んだことでしょ?」
直接、縛って欲しいってお願いしたわけじゃないけど・・・。
「ロックは、すぐイっちゃうからね」
胸に唇を落とされて、キツく吸われる。
「あんっ!や、いやっ!」
「俺がイったら、解いてあげる」
なんてこと言うんだ、この鬼畜は。
エドガーが熱を吐き出すまでには、相当な時間を要することは知っていた。
俺は心底泣きそうになる。
胸の先を摘まれて、快感が沸いた。
「ひあっ!あっ、あんっ」
「ロックの感じてる顔、ヤラシイ」

下肢に熱の塊を突き入れられた。
咄嗟に中を締め付けてしまう。
エドガーが焦らすように腰を動かした。
「あんっ!あん、あっ・・・や、無理・・・!」
激しく突かれ、ゆっくりと引っ張り出される。
もう俺の昂りは、先走りの液でぐちゃぐちゃだった。
腰が揺れる瞬間、俺のそれがエドガーの腹に擦り付けられた。
「ひんんっ!あっ、あああっ!」
「あ、ごめんね 当たっちゃった」
謝りながら、濡れた先っぽをくちゅくちゅ弄る。
気持ち良すぎて、俺は涙を零しながら喘いだ。
「あんっ、あんんっ!いやっ、いやあっ!」
「やばいロック、めちゃくちゃ可愛い」
強すぎる快楽に、俺はリボンを解こうと下肢に手を伸ばす。
あっさりエドガーに捉えられ、頭の横に押さえ付けられる。
「いけないコだ」
「やだっ!・・・もぉ、イきたいっ・・・!」
頭を振ってエドガーに訴える。
そんな願いも虚しく、狂いそうなほどに中を掻き混ぜられた。
「あっ、あん!あっ、・・・変に、なっちゃうよお・・・!」
「ロック本気で可愛い・・・も、出そ・・・」
エドガーが俺の膝の裏を掴んで、激しく打ち付けた。
「ひんっ、ひんんっ!」
そして何度が俺の中を出し入れすると、熱いものが注ぎ込まれた。
それと同時に、縛られていたリボンが解かれる。
「ああああああっ!!」
俺は絶叫に近い声を上げて、溜まった精をほとばしらせた。


今日のロックはいつもにも増して可愛かったなあ。
それにしてもやっぱり気付いてなかったんだ。
まあ俺が・・・ロックをそういう風に仕込んだんだけどね。
このことはロックには絶対内緒。


fin
2008.04.23
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