ロック受話@

□熱
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ブラックジャック号での旅の途中、たまの休息ということで街に立ち寄った。
この街に着いて何日か経った頃。
俺の足はパブに向かっていた。
まだ夕刻を少し過ぎたばかりで、まばらな店内。
「一番強い酒」
俺はイライラしていた。
原因は他でもないエドガー。
なんだよあいつ!
なんなんだよ!


「ロック、これ着てみないか?」
エドガーが出してきたのは女物の・・・制服?
「・・・・冗談も休み休み言えよ」
「冗談じゃなく真面目に」
「真剣な目で訴えんな」
「絶対似合うって せっかくロックのために買ったのに」
「黙れ変態 そんなに女の格好がいいなら女とやればいいだろ」
「ロックが嫉妬するじゃん」
「そんなもん着るくらいなら、浮気された方がよっぽどマシだ」
「ふーん、じゃあそうさせてもらっても構わないな?」
「勝手にしろよ 年中発情期ヤロウ」
売り言葉に買い言葉。
そのまま言い争いになった。
最終的には、淫乱やら色情魔やらが飛び交っていた。


街に着いた翌日、夜の街路地で街の女と楽しそうに歩いているエドガーを見かけた。
あの女タラシ!
早速俺への当て付けかよ!
もうあんなやつのことなんか知るもんか!
絶対俺は悪くない!
腹を立てながら幾度も酒を煽る。
「あームカつく!」
頭を抱えてカウンターに突っ伏した。

夜も更けてくると、周りが人ごみで騒がしくなってきた。
俺が管を巻いてるうちに、かなりの時間が経過したようだ。
店内を見渡すと、よく見知った顔を見つけた。
・・・あれ?・・・セッツァー・・・?
パブの客を相手に、賭けをしているようだった。
セッツァーが手にしたカードをテーブルに広げると、相手は金を投げて席を立った。
その様子を眺めていると、セッツァーがこちらに気付く。
俺は素知らぬ振りでカウンターに向き直った。

「なんだ、ひとりか」
セッツァーがご機嫌な様子で俺の隣に座る。
「マスター、俺にもバーボンをくれ」
札の束を上着にしまうと、煙草に火を点けた。
「恋人と喧嘩でもしたのか?」
「そんなんじゃ・・・」
あるんだけど。
セッツァーが煙草を燻らせながら続ける。
「あいつが女連れてるの見たぜ」
「・・・知ってる」
半ば八つ当たり気味に言葉を吐いた。
グイッとグラスを煽る。
「俺が慰めてやろうか?」
「・・・・ッ・・!?」
突拍子もないセッツァーの言葉に、少しムセながらグラスを置く。
「ば・・・っ!・・・余計なお世話だ!」
「相変わらずそういうとこも可愛いな エドガーが手放したくないのも頷ける」
「可愛いなんて言われたくねーよ!」
「悪い悪い まあ飲めよ、奢るぜ?」


それから二人でベロベロにになるまで飲み明かした。
他愛もない話や旅のこと、セッツァーの話も色々聞いた。
よく覚えてないけど、俺はエドガーの愚痴とかもこぼしてた気がする。
「セッツァー、もう一軒行こうぜ!」
「お前いい加減にしろ・・・もう空いてる店ねえよ」
空はすでに白みかけていた。
しょうがないから酒を買い込んで、宿屋に向かう。
宿屋に入ると、船の中より数段大きなベッドが嬉しくて、思わず飛び込んだ。
「やっぱり広いベッドは快適だなー」
「それは俺への当て付けか」
皮肉っぽくセッツァーが嘯いた。
「ごめん、今のナシ」
「快適じゃなくて悪かったな まあ確かに」

セッツァーの手が俺の顎を捉えると、早急に口付けられた。
「んんんっ!?」
唇を舌で舐め取られ、セッツァーが呟く。
「こういう事をするには、船のベッドは少し狭すぎるな」
突然の行為に、俺は頭が混乱した。
酔いのせいで状況が把握できない。
「ロック、お前は無防備すぎだ」
訳も分からず再び口付けられると、甘い液体が流し込まれた。
「ふっ・・・んんっ・・・!?」
少しほろ苦いその液体が、喉を伝う。
セッツァーに舌で押し込まれ、俺は喉を鳴らして全て飲み込んだ。
「上等な酒だ よく味わえよ」
「・・・っ、何すんだよ!」
俺は唇を手の甲でぐいっと拭う。
セッツァーはベッドに座ると、俺の頬に触れてきた。
「鬼の居ぬ間に、か」
「やっ・・・!」
触れた手を跳ね除ける。

セッツァーが怖い。
さっきまで、あんなに陽気に酒を酌み交わしてたのに。
「俺、船に戻る」
そう言ってベッドから降りようとすると、セッツァーの手が俺の腕を捕らえる。
そのままベッドに押し倒されて、唇を奪われた。
「ん、んっ、・・・・・あっ・・・!?」
舌を絡められると、信じられないほどの快感が体を襲う。
ほんのりと、肌が火照り始めているようだった。
「・・・?」
なんで・・・俺、こんなに・・・・?
セッツァーにキスされただけで、どうしようもなく体が疼いた。
「離せ・・・っ」
「だめだ」
掴まれていた腕を解こうとするが、体に力が入らない。
セッツァーの手が下肢に触れた。
「ひっ!・・・くそ、・・・触んなっ!」
「じきに泣いてオネダリするようになるぜ?」
なんだよそれ・・・、なんで俺が・・・。
・・・・・・・!!
回らない頭を働かせて、さっき飲まされた酒のせいだと気付く。

時すでに遅く、下肢をはだけさせられて茎を掴まれた。
「あっ、いや!・・・いやだ・・・・!」
「そのクスリ、すげーイイだろ?」
軽く擦られただけで、俺のそこは蜜を零し始めた。
先端を舌で突付かれて、腰が跳ねる。
「あんっ、や、いやっ!」
「一度だけイかせてやる」
口に含まれて緩く扱かれる。
たったそれだけで俺は絶頂を迎えた。
「やだあああっ!」
ガクガクと腰を揺らし、勢いよくセッツァーの口の中に放った。
最後の一滴まで絞り上げられ、セッツァーはそれを飲み込む。
「悪くない味だ」
俺は恥ずかしさに顔を背ける。
酷い事をされているのに、怒りよりも羞恥が勝っていた。
全て媚薬のせいにすることで、俺は自分を正当化させる。
エドガーだって今頃女と・・・。


「あっ、やだ!」
蕾に指が挿入された。
うつぶせにされて、中を弄られる。
ローションの滑りによって、早くも三本の指を飲み込んだ。
「あんっ、あ、あんん!」
いつもより感じすぎた俺の体は、その行為だけでまた昇り詰める。
「こんなに腰振って ヤラシイ」
もはや快楽に流されていた。
余計な事を考えるより、セッツァーから与えられる快感を受け止めているほうが楽だった。

十分に解されると指を抜かれ、セッツァーのものが押し当てられた。
「ひ・・・っ!いやぁっ!」
後ろから貫かれると、そのまま体を起こされた。
ちょうど後ろからセッツァーに抱きかかえられる格好になる。
そのせいで中の杭が、より深く刺さった。
「あ・・・はぁっ・・・んんっ!」
セッツァーが少し動いただけで、イきそうになる。
「こんなに咥え込んで・・・喰い千切られそ・・・っ」
そう言うと、セッツァーは胸に手を這わせた。
「あっあ、やだっ!」
そうじゃない、というようにロックは頭を振る。
そんなことはお構いなしに、セッツァーは胸の果実を弄る。
「あんっ、あ!」
てっきり動いてくれるのだと期待した体が、熱を発散できずに疼く。
僅かなゆるい快感に、ロックは焦らされた。
どうして・・・?
肩越しにロックの哀願する顔が向けられた。
「不満そうな顔つきだな」
「や、セッツァ・・・」
胸だけじゃいやだ。
中を突き上げて、もうイかせて欲しい。
たまらずに俺は腰を揺らす。
「ほら、ちゃんと言わなきゃわかんないだろ?」
両胸の先端をグリッと摘まれる。
「ひっ!あ、あっ!」
セッツァーのものを咥えていた箇所が、無意識に収縮する。
「くっ・・・そんな締めんなよ」
顔をしかめてセッツァーが笑った。
中心の茎が厭らしく蜜を垂らし、今にも弾けそうなほど勃ち上がっていた。

微かな刺激に焦らされすぎて、俺は泣き出した。
「あ、も・・・イきたい・・・っ!」
「どうやって?」
「・・・・・っ」
俺は余りの恥ずかしさに、とてもじゃないがそんなことは言えなかった。
頼むからイかせて。
「此処を弄って欲しいのか?」
グショグショになったそれを扱かれる。
「ちが、・・・あんっ、あ、・・・ひっ!」
根元を握られて、出すことさえも許されない。
それでもセッツァーの手が、俺のものを掴んで動かす。
「ひん!ひっ・・・やだああ!」
俺はセッツァーの上で泣き叫んだ。
出したい出したい出したい。

「あ、・・・お願いっ、もぉ」
「ん?」
効きすぎたクスリが俺を狂わせた。
「俺の、なか・・・セッツァーの、硬いので・・・・目茶苦茶にして・・・っ」
セッツァーはその言葉を聞くと、ロックの中を思い切り突き上げた。
「ひぃっ!あっ、あっ、あん!」
ロックは揺さぶられてひたすら喘いだ。
ぐちょぐちょにとろけたそこが擦れて、おかしくなりそうなほどの快感が押し寄せる。
「いやっ、も、イっちゃう・・・!」
セッツァーが深く突き刺すと、ロックの蕾が締まった。
「あああああ!!」
「クッ!」
その衝撃に、ロックとセッツァーは同時に精を吐いた。


部屋の扉が開くと、エドガーが飛び込んできた。
「よお、遅いお出ましで」
セッツァーは、エドガーの泊まっている宿屋に伝言を残してきていた。
「それよりなんだこれは!」
思わず目を背けたくなるような状況に、エドガーは声を荒げた。
「ククッ、よく言うぜ 恋人をほったらかして女とお楽しみだったくせによ」
エドガーは言い返せなかった。
セッツァーの腕の中で、ロックはハアハアと荒い呼吸を繰り返していた。
「むしろ感謝して欲しいくらいだぜ 仲直りのきっかけを作ってやったんだからな」
そう言うと、セッツァーはロックをベッドに寝かせた。
そして手早く衣服を身に付ける。
「あとは好きにしな お前が来なかったら、本気で俺のものにするはずだったんだがな」
セッツァーは言い置くと、そのまま部屋を出て行った。


俺はハッと気付いてロックを抱き起こす。
「ロック・・・」
「・・・?エドガー・・・?」
もうろうとした意識の中で、ロックは泣き出した。
「ご、ごめんなさい・・・うっ、俺・・・クスリ飲まされて・・・っ」
「ロックは何も悪くない 俺の方がロックに謝らなければならないのに」
優しくロックの体を抱き締める。
「本当にごめん ロックの気持ちも考えずに」
「もう、ひとりにしないで」
「約束する」
涙を拭うと、ロックがキスをねだる。
愛しい恋人。
深く口付けると、ロックの体がビクビクと震えた。
「んん・・・!ふぁ・・・あっ」
「まだクスリが効いているのか?」
ロックが恥ずかしそうに頷いた。
「エドガー・・・・この熱、どうにかして・・・っ」
「いくらでも冷ましてやる」

濡れたそこを掴むと、ロックは可愛らしい声を洩らした。
「あん、あ、あ」
俺はセッツァーの痕跡を消すように、全身に舌を這わせる。
ロックの全てを舐め取った。
惜しみなく快感を与えてくれるエドガーに、先ほど散々焦らされたロックは何度も昇り詰めた。
「ひっ、ひん!」
ロックの精液を、愛おしそうに口で受け止める。
俺の指が中を掻き回すと、たまらなく厭らしい嬌声を上げる。
「あんっあん!いやっ・・・気持ちイイ・・・っ!」
嫌なのか悦いのかわからなくなるほど乱れたロックに、俺は笑みを漏らす。
快感に耐える腕が、俺のシャツにしがみ付いた。
「あ、も、エドガーが・・・欲しいっ」
「お気に召すままに・・・」
指を抜いて代わりに俺の昂りを突き入れる。
「ああああっ!」
奥まで貫くと、感極まってロックが叫ぶ。
俺はロックの温もりを確かめるように、夢中で中を味わった。
「エド、・・・エドガ・・・!あっ、あ!」
「ロック、愛してる」
そのままロックの熱が冷めるまで、求められるままに抱き合った。


いつもの船内。
旅の休憩が終わり、次の目的地に向かうべく、ブラックジャック号は空を走る。
チェスをしながら俺は呟いた。
「俺・・・あの服、着てあげてもいーけど・・・」
「え、まじで!?」
「必死になんな!」
くそ、嬉しそうな顔しやがって。
エドガーを付け上がらせると、あとが大変だ。
「ただし1回だけだからな!」
念を押すと、エドガーがうんうんと頭を振った。
俺はつくづくこの恋人に甘い。
「チェックメイト」
にっこりと、王様が笑った。


To be continued
2008.04.17
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