短編
□この日だけは
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それから夜になって今年の誕生日も何事も無く終わるのかと思ってた矢先の事だった
「土方さん…失礼しても良いですかィ?」
いつもは勝手に入って来る総悟が何だか遠慮がちに声をかけて来た
「ああ、良いぜ?」
どうかしたのだろうかと思いながらも俺は返事を返し総悟が部屋に入って来た
「あの、土方さん…」
「どうした?」
「これ…遅くなりやしたけど…誕生日おめでとうございまさァ」
そう言って俺に差し出して来たのは2匹だけの小さな鯉のぼりで片方は青でもう片方は赤だった
普通ならピンクなんだろうがと不思議に思った俺は総悟に尋ねた
「何で青と赤の組み合わせにしたんだ?」
そう尋ねると総悟は
「俺とアンタの瞳の色に合わせたんでざァ…//」
少し恥ずかしそうに返してきた
そう言う事だったのか
「せっかくプレゼントするなら特別感があった方が良いかと思いやしてねィ…それにアンタ、今日の昼間に街の鯉のぼり見て何だか羨ましそうにしてたから…///」
「っ…そうか…///
ま、とりあえず…ありがとな」
俺は総悟の手作り感溢れる小さな鯉のぼりを心良く受け取った
「俺からのプレゼントなんだから大切にして下せェよ?」
「フッ…分かってるよ
大切にする…この鯉のぼりもお前もな」
そう言って総悟の頬にキスをしてやった
「っ…///」
「この礼は、後でたっぷりさせて、もらうからな?」
「っ…わ、分かりやした…///」