ぬら孫2

□労わる
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「え?なんですか?」

「いや・・・だからな。その・・・今日は家事は俺がやるって言ってんでぃ・・・」

「どうしたんですか?お熱でもあるのですか?」

「そうじゃなくってだな。・・・その。俺もたまには家事や育児に参加してぇんだ。」


日に日に大きくなっていく若菜の腹を見て鯉伴は気が気じゃなかった。

幼いのも合わさって、体には絶対によくはないと思うのに若菜は笑顔で家事をこなしていた。

今も鯉伴の布団や他の妖怪らの布団を一人で運んでいるところだった。

お腹の子になにかあれ万が一でもあるが、若菜に何かあったら困るのだ。


「いいですよ。鯉伴さんはお仕事でお疲れでしょ?気にしないでください」

「いや。気にする。いいから貸せ。俺がやる。」

「あ・・・」

「どこに運ぶんだ。」


言い出したら聞かない頑固者だって言うのは最初からお互いわかっていたので若菜が困ったように笑いながらこっちです。と案内する。

運びながら前を歩く若菜を鯉伴はじっと見つめた。


「若菜」

「はい?」

「幸せか?」

「それはもちろん、幸せですよ。鯉伴さんは?」

「幸せだ。」


こんな場所に閉じ込めるようなことをしてしまったのに、幸せだと言ってもらえるなんて幸せだ。

二人で布団を干し終えると二人は縁側に腰をかけた。


「鯉伴さん。私ね、鯉伴さんに会えてよかったって思ってるんですよ。だから、」

「・・・若菜。」


だから、そんなありがとうって顔しないで。

当たり前だろって顔で笑ってください。


「そうだな。俺はお前を幸せにできないわけねぇからな!」


そう若菜に鯉伴は笑いかけた。






END

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