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□鏡映しでわかること
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血の味がする。

それを残さず舐め取りたくって舌を使い舐め取っていく。

そのうちに口内も味わいたくなったので、無理矢理こじ開けた。


「んっ。・・・あっ。はぁ」

「・・・じゅるっ。玉章・・・」

「だめっ・・・やめっ。」

「うまいぜよ。」

「や・・・やめろっ・・・い、息が出来ないだろ!駄犬が!!」


今まで(いや、序盤あたりで抵抗はしていた)大人しく唇を弄ばれていた玉章だったが、息が続かなかったらしい。

思いっきり犬神を突き飛ばした。

これまた、なんの用意もしてなかったので派手に後ろに転んだ。


「ったぁ〜、なにするがか!!!玉章!!」

「お前こそ、なにするんだ!僕が、いつ。してもいいだなんて言った。」

「最初にしかけてきたのは玉章ぜよ!」

「・・・」


さすがに正論を返されたのでどうやら反論はできなかったらしい。

玉章は悔しそうに犬神を睨んでいる。

犬神は立ち上がり、急に玉章の首輪に手をかけた。


「それに、今ご主人様は俺じゃき。お前は俺のペットぜよ。主人の命令聞けないのか?」

「・・・すみません。ご主人様」


ガブリッ。

犬神が玉章の首に歯を立てた。


「いっ!」

「生意気ぜよ。気に喰わない。」

「犬神、お前っ」

「名前を呼ぶな。お前は喘いでいればいいんだ。」


痛さに抗議の声をあげた玉章を犬神は冷たい目で見ていた。

冷え切った、何もかも受け付けないような瞳。

己の存在を否定するような声。

でも、この存在だけが自己を証明してくれる。






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