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□裏返しの愛情表現
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「さて、犬神次は何しようか?」
「ま・・・まだやるのか?」
「もちろん、それとももう根をあげるのかい?つまらない男だな〜。ま、代わりなんて何人もいるから「待つき!!!俺はまだやれるぜよ。」
だから、代わりなんて呼ばなくっていい。と玉章の足にみっともなくしがみ付く犬神を見て玉章はニタリと笑う。
仕方ないな〜っと言いながらも口元には喜びの笑みが浮かんでいた。
そして、玉章は犬神の頭を踏んづけた。
ぐりぐりと床にこすりつけるようにして足に少しづつ力を入れていく。
「あ〜、やっぱり君の頭を踏みやすいね。」
「・・・あぐぅ。」
「君がそうやって這いつくばっている姿ってなんか板についているよね。なぜだろ?」
足をどけて、玉章は屈みこみ犬神の髪をひっぱりあげた。
痛さのあまりに顔を引きつらせるが絶対に抵抗はしない。
手には今日は珍しく縄はなかった。
嫌になったらいつでも抵抗しろとは言われていたが恐くってできない。
するつもりもないので縄があってもなくっても犬神には関係のない話だった。
「まぁ。今日はこれでおしまいにしようか。一緒にお菓子でも食べようか。」
「え・・・」
「何か文句でもあるのかい?」
いつもなら『君は地べたに這いつくばって食べろ』とか言うくせに今日は玉章も床に座り込んでクッキーを開けていた。
「ほら、あげるよ。どうぞ。」
そう言って差し出されたクッキーを恐る恐る口に含む。
「おいしいかい?」
「おいしいぜよ。ありがとう。」
犬神はとびっきりの笑顔で礼をいれば玉章は満足げに頷いていた。
END