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□佐藤家兄妹の話
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昔から何かとスキンシップを拒否していきた蓮だったが、朗児はそんな蓮の腕を掴むと額にキスした。
「蓮も。喧嘩ばっかりするんじゃないぞ。いいな?」
「わかったって・・・もう一回はすんなってば!」
「きの〜」
「いってらっちゃい。ぱぱ」
手を振る季乃慧の頬にキスをしてから、春彦の額にキスを落とす。
春彦はじっとしていた。
「春。お前はお兄さんなんだからな。いいな?」
「はい。父さん大丈夫です。」
「じゃな・・・俺の可愛くって可愛くって仕方のない息子たちよ。あ、娘もいた・・・父は行ってくるからな・・・うぅ・・・」
「お留守番よろしくね。来月には帰ってくるわ。」
こうして、両親は家を出た。
バタンっとドアが閉まると同時に春彦は季乃慧を降ろした。
季乃慧はスカートの裾を手で叩く。
蓮は額をごしごし手で拭っている。
そして、流棋は本を抱えて、自分の部屋へと走りだした。
もうちょっとで部屋に入ると言うときに春彦が流棋の襟を掴んだ。
「はなせよ!」
「お前はこの部屋に入るな。蓮、お前の部屋に突っ込むからな」
「は?兄貴の部屋でいいんじゃねーの?なんで俺なんだよ。長男なんだから下の面倒みればいいだろ?」
「俺は季乃慧を見るからお前は流棋を見ろ。」
ばたばた暴れている流棋を引きずってリビングに向かい、ソファーに流棋を放り投げた。
そして、テレビの下にビデオデッキの奥から手錠を引っ張り出した。
鎖の部分は裕に5メートルはある。
その手錠の片方を流棋の足につけて、もう片方を蓮の部屋のベッドに繋いだ。
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