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□駄犬と化け狸
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呼び出されたときには、もう玉章は他の男にキスされていた。

と言うよりも、あの体制は絶対に玉章からしたに決まっているぜよ。

俺は出て行くことも考えたけど、出て行ったら出て行ったで後が恐いので二人をじっと見ることにした。

理解はできないし、これは本能としか言えないのだけど俺は玉章が好きだった。

あの綺麗な顔や瞳が俺だけを見ていると思うと嬉しくなった。

それこそしっぽを千切れんばかり振るみたいに(玉章曰く、引き抜いてみたいなぁ。だそうだ)。

そして、それを頭のいい玉章は知っているので俺をわざわざ生徒会に呼んでは他の男との濡れ場を見さすと言う遊びがお気に入りになっていた。

一回、ブチ切れて首を飛ばしたときなんか酷かった。

だから、俺は我慢することを覚えた。


「・・・」


男の肩越しに玉章と目があった。

俺がじっと見ているのを満足げに見ている。

ゆっくりと離れていった男が顔を真っ赤にして慌てているから、別にやりたくってやったわけじゃなさそうだ。

彼も可哀相な玉章の遊び道具なんだろう。


「おや?君。いたのかい?」


わざとらしい。

呼んだのは玉章のくせに。

男はその声で振りかえると、かなり上ずった声で失礼しますといい帰っていった。


「・・・」

「で?なんの用かな?」

「・・・呼び出したのは玉章ぜよ。」

「そうだっけ?」







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