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□天邪鬼
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それがますますヘルガの勘に触った。


「何がおかしいんじゃ。」

「メキオールお前の、手伝え」

「わかった。」

「何やらお忙しいみたいなので。私はこれにて」

「二度と来るな!!!!」


暴れるヘルガに笑いかけてケンプファーは出て行った。





外にはニヤニヤしているディートリッヒがいた。


「どうだった?」

「怒っていたよ。とってもね」

「・・・君ってSなの?それともM?」

「さぁ?」

「でも、伯爵夫人の怒ってる顔は好きなんだろ?」

「好きだな」


かなり、怪しい笑みを浮かべているケンプファーにディートリッヒは心底呆れた。

部屋の中ではいまだにヘルガの叫び声が聞こえる。


「叫んでるね」

「ふむ。可愛らしい声だな」

「君って本当に気持ち悪いよね。近寄らないでよ。」

「そうかい?」

「でていけー!!!!」

「うわっ」

「・・・」


今度はノイマンの二人が追い出された。

バルタザールは困ったようにドアを見つめて、ケンプファーとディートリッヒを見る。

そして、ギロリとケンプファーを睨んだ。


「どうしてくれるんですか?」

「君たちいつから伯爵夫人の部屋にいるのさ。」

「・・・いつって言われましても・・・」

「二日前ぐらいだよ。カスパールが失恋したからって部屋に戻れなくなったじゃないか。」

「・・・あの子か・・・」


なぜか苦労が耐えない兄のバルタザール。

ディートリッヒは、そっとケンプファーに囁いた。


「今がチャンスなんじゃないの?」

「ふむ」







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