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□天邪鬼
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「きぇー!!あー、もう。腹がたつのぅ!」

「落ち着いてくださいよ。”氷の魔女”」

「落ち着けじゃと!妾に落ち着けと!」

「・・・うるさい。この人」


”8=2”である、ヘルガは自室をうろうろしてた。

つい先程、あの方と会って帰ってきたと思うとコレだ。

ノイマン3兄弟の長男であるバルタザールは自室を破壊し始めたヘルガと格闘中だった。

それを冷ややかに見ているのは次男のメキオールだ。

「なーにが、『我が君、そろそろアニメのお時間でございます。』じゃ。あん年齢不詳男がー!!!」

「・・・あんたもじゃん。」


メキオールが冷たく言う。

幸いにもヘルガの耳にはまったく届かなかった。


「落ち着いてくださいって。”氷の魔女”」

「お主はどう思うのじゃ!!!のう。バルタザール卿。」

「どうって・・・あの男ならそれが普通ではないですか?」

「そこが気に食わんのじゃ。いー!!!えい、コレ貸せ!!!」

「あ。」

「このっ。このっ!!!死ね!!!」


メキオールが今まで、大切にしていた人形を取り上げるとヘルガはそれを投げて殴って蹴った。

しばらく、無言で見てたのだが、メキオールはふいに涙目になる。


「ふっ・・・」

「は!泣くな、メキオール。泣くな。」

「僕のお人形が・・・僕のお人形が」

「お兄ちゃんがなんとかするから。」

「でも、さっきから何もできてないじゃん。」

「うっ・・・」


反対にバルタザールが涙目になる。

それもお構いなしにヘルガの破壊行動は続いた。

メキオールとバルタザールはもう何も出来ないと思い見ているだけにしていた。


「いつかは殺してやるぞよ!!」


バコンッ


「見ておれよ!!下剋上は必ず成功するからの!!!」


バシンッ








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