WJ系

□まるで脳内5歳児
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さらに強く若菜を抱きしめる。

すると背中を蹴られた。


「いてっ」

「お母さんを放せ。変態」

「へ・・・変態だと!てめぇ、リクオ。誰に言ってんだ!!」

「誰、って。おじさん」


リクオの純粋な目でそう言われた。

鯉伴は一瞬固まったが、すぐに泣き出す。


「若菜・・・俺って。俺って・・・」

「あらら。リクオ。お父さんでしょ?そんな事言ったらダメよ」

「こんなのお父さんじゃないよ!いっつもどっか行っちゃうもん。お母さんのことだってほったらかしだよ。カナちゃんのお父さんは日曜日には遊んでくれるって。それに仕事してないもん。」

「・・・否定できないわねぇ〜」

「そこは否定してくれ。若菜!!!!」


5歳の正当な理由に若菜も頷く。

そこまで言われると開き直るしかない鯉伴なのだが、リクオは悲しそうに顔を歪めた。


「おじいちゃんが。お父さんならいいのに」


ピクンっと鯉伴の耳が動いた。

立ち上がるとリクオを抱える。

抱えられたリクオは嫌がるがそこは、父の威厳なのか放しはしなかった。

そして、縁側に出る。


「出かけてくるわ。夕飯までには帰ってくるからな」

「わかりました。リクオ。今日の夕飯は、ハンバーグにしましょうか?」

「やった!!!」


二人を笑って見送る若菜。

若菜の了承を得て、鯉伴はふらっと家を出て行ってしまった。

残された、二人は縁側に座っている。


「若菜さんが来てから洋風な食事も増えたのう。」

「嫌ですか?」

「いや。好きじゃ」






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