WJ系
□嘘の話
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ここは関東大妖怪大元締めである奴良組の家である。
そこに集まったメンバーは清十字奇怪探偵団たちである。
今日は4月1日。
世間は所謂エイプリルフールだった。
「でね、男が恐怖に震えながらそのドアを開けたの。やっと助かったって。ほっとしたんだって。そしたら。聞こえたのよ。声が。低い中年の男の声で耳元から『おい』って・・・」
「いやあぁぁぁぁ!!!!!」
巻が話終えるか終えないかの瀬戸際で家長が叫んだ。
そのまま隣にいた清継に抱きついた。
エイプリルフールに嘘を吐くのが、通常だが清継の提案で恐い話大会になったのだ。
「もう、嫌。もうやめようよ!!!」
「なんだい、家長くん。妖怪の話じゃないんだよ?今日は」
「でも・・・なんか恐いもん」
「はははっ。家長くんって恐がりだな〜」
「うぅ・・・」
家長は真っ赤になりながら座りなおす。
奴良はだんだん神妙な顔で(雰囲気を出すためなのだが)座っているみんなを見た。
家長の叫びで一旦空気がしんみりとなってしまったので誰も話しださない。
「次って・・・誰?」
「僕は終わったけど。」
「じゃ、誰?」
「奴良は?あんた、話した?」
鳥居が思い出したように言えば、座っている奴良は小さく頷いた。
そして、コホンっと咳き払い一つする。
「じゃ、話すぞ」
「お願いします。」
奴良は口をゆっくり開いた。
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