WJ系

□ただいま恋愛中
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「鯉伴さん。大好き!!!」

「お・・・おう。」

「だから、大きくなったらお嫁さんにしてね?」

「当たり前だろ!!!絶対結婚するんだからな!!!!」


顔を真っ赤にして叫ぶ鯉伴を若菜は笑顔で見ていた。

お友達から初めて一体いつになったら恋人になれるのかなんてわからないが。

若菜にとってのお友達も恋人もさほど大差ないのではないかと鯉伴は思った。

どっちにしろ、若菜の傍に入れるのであればなんでもいいのだ。

二人は夕暮れの神社の階段を手を繋いで帰るのであった。





「な。こともありましたね。」


若菜は昨日夢に見たことは夫の写真に語りかけていた。

亡くなってもう4年は経つ。

亡くなったと言う実感はいまだに湧いてこない。


「あなたったら、二言目には『結婚』って言ってたわよね。」


子供みたいに毎年若菜の誕生日に『結婚はいつだ!』と言い寄ってきた姿を思い出して笑う。

正式な結婚式ではなく形だけの結婚式だったがそれはそれで幸せだった。

できるなら白無垢とか着てみたいが、もう二度と着ることはないだろう。


「私は元気よ。鯉伴さん。リクオも元気です。組のみんなも良くしてくれてるわ」


だから、寂しくないの。

それにね。


「あたなのことを思い出すとまだ、胸が痛くなるのよ。大好きって言いたくなるの。」


私の心はあの日のままで、ずっとあたなに恋愛中なんだわ。

と若菜は恥ずかしそうに笑いかけた。

さて、洗濯を干して昼の用意でもしようかしら、と立ち上がったとき。


「俺も・・・」


そうかすかに聞こえた気がして若菜は顔を赤くするのだった。







END
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