WJ系

□ただいま恋愛中
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さて、思い立ったら即行動。

そんな若菜は今、ずっと前に鯉伴に初めて出合った神社に来ていた。

二人で階段に座り込んで、買ってきた(鯉伴のは盗んできた)駄菓子を食べていたっけ。

そこから、妖怪だってことも分かったりしたのだが、恐いと思ったことは全くなかった。

するりと心に入ってきて、いつの間には隣にいるのが当たり前の存在になっていた。


「いないと・・・寂しいな・・・」


なんであんな事言っちゃったんだろう。

若菜はため息を付いて、自分の足元を見た。


「ごめんなさいってちゃんと言わなきゃ」


よし、謝ろう。

そう決めて若菜は立ち上がった。

悩むのはもうやめよう。

まずはやってみよう!


「若菜・・・?」

「あ!鯉伴さん!!!」

「なんで・・・ここに?」

「なんとなくよ。鯉伴さんは?」

「なんとなくだ・・・な」


どこからかフワリと出てきたのは、会いたかった鯉伴で。

若菜は嬉しそうに鯉伴に笑いかけた。

鯉伴は鯉伴で嬉しいやら、複雑やらでどんな顔をすればいいのか分からなくなっていた。


「あのね、鯉伴さん」

「おう。なんだ?」

「ごめんなさい」

「え?・・・どうした若菜!」

「私、酷いこと言っちゃったから。ごめんなさい」


酷いことしたのは俺じゃないのか?

謝るのは俺のはずなのに。

そんな思いで頭を下げている若菜の肩を掴んだ。


「若菜」

「許してくれる?」

「・・・もちろんだ。俺こそごめんな」







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