WJ系

□天地逆転の末
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あの玉章が頭を下げている。

犬神は信じられないようなものを見た気分だった。

が、そんなことではない。


「玉章。頭を上げるき!!!」

「・・・この部屋で、今この場で。真似をしようじゃないか。」

「真似?」

「今、犬神がやっていただろ?僕の真似。だから、僕も君の真似をしようと思ってね。」

(それって・・・・)


ごくっと喉が鳴る。

毎日、この部屋でやっていることを反対でやってみるってことだよな?

とあまり賢くない頭で考える。

その間に、玉章は投げ出された犬神の足に顔を近づけてぺろりと彼の上履きの先を舐めた。


「うわああぁぁぁぁあああ!!!!」

「どうしたんですか?犬神。」

「そんな・・・汚っ!!!玉章はそんなことやらなくっていいぜよ!!な。これやめよ?」

「・・・それが、犬神の命令なら・・・」

「うっ・・・」


残念そうな顔で見上げられて、言葉につまる。

俺っていつもこんな顔したりするのか?でも玉章よりも可愛くはないはずだし・・・

とじっと見つめてくる玉章の目を見つめながら犬神は口をパクパクさせながら考えた。

そっと玉章は犬神のヒザに手を置く。


「僕が嫌いか?」

「え?」

「・・・いつも、命令ばかりする。可愛げのない僕は嫌いか?犬神・・・」

「そんなはずないぜよ。俺は玉章が好きぜよ!」

「なら・・・」


玉章はニタリとそこだけはいつものように笑みを作った。

この状況を楽しんでいると分かってはいるのが


「さ。僕に命令して?犬神」


頷くしかなかった。






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