WJ系

□真面目な彼女はメガネっ娘
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放課後の掃除の時間はどうもやる気がでない。

めんどくさい。

今年、中学1年生になったリクオは一人校舎の裏でタバコを吸っていた。

銀色の髪を伸ばして、目つきは悪い。

見た目通りのなかなかの問題児である。

同級生は恐がって寄ってこないし、上級生は喧嘩を売ってくる(勝ってるけど)


「はぁ〜」


なんか、面白いことないだろうか。

そう思ってため息を付いたときだった。


「こらっ!!!君」

「うわっ。なんだ!」

「タバコなんて吸ってちゃダメじゃない。」


急に響いた声にびっくりしてリクオはタバコを落とした。

声をかけてきたのは茶色の髪がふわふわと揺れていて、下にある襟足の黒い髪が印象的な女の子だった。

むすっとしていて、その顔にはメガネがある。

どっから、どうみても優等生っぽい。


「んだよ。誰?」

「校内でタバコ吸うなんて。未成年は吸っちゃダメなんだよ!先生に言ってもいいの?」

「なんだ、その小学生でもやらないような脅し。」

「小学生って言うな!」

「別に言ってないだろ」


なんだコイツ。

リクオは不機嫌なままその少女を見た。

顔は幼くって制服を着てなかったら、絶対に小学生だと思われていたはずだ。


「とにかく、そのタバコは没収するからね。はい、出して」

「嫌だよ。ってか、お前何?学級委員とかか?」

「違うよ。僕は1年生の風紀委員だよ。」

「へ〜。その顔で?」

「気にしてるんだから!言わなくってもいいでしょ!!!・・・ふんっ」

「まぁ。可愛いからいいんじゃねーの?」


ふてくされたように顔を背けた少女がおかしくってリクオはふっと笑う。

笑えば少女はむすっとしたまま、とくかにタバコと言うので素直に出した。

帰ったら親父のでも頂こう。

リクオから奪ったタバコを手にして少女は帰ろうとするので、その腕を捕まえた。


「お前。名前は?」

「・・・笑うから言わない。」

「なんでだよ。なら、俺はリクオだ」

「リクオ??本当に?」

「おう。」

「僕と一緒だ。僕もリクオなんだ」


女の子なのにリクオって笑っちゃうでしょ?と少女のリクオははにかんだ。

それが真昼の太陽のように暖かくって、リクオは昼間だなと呟いた。


「そうだ。お前のあだ名は昼にしよう。お前、今日から昼な」

「は?なんでそうなるの!?」

「俺のことはなんでもいいから「じゃ、夜。その髪が夜のお星様みたいだから!」


お星様みたいってとリクオは苦笑したが、昼が嬉しそうに夜だ!と言うのでリクオは頷いた。


「じゃ、僕はもういくけど。ちゃんと掃除しなよ。それと。タバコも喧嘩ももうやめなよ!」

「喧嘩って・・・お前っ」

「君、顔はいいんだからね!」


と子供のように笑うとスキップして去っていった。

なんだ、あの子供みたいな奴。と思ったが悪い気はしない。

むしろ、胸がドキドキしている。


「リクオ・・・昼か・・・おもしろい奴」


退屈しそうにないな。

そう思うと、リクオは言われたとうりにちゃんと掃除をしにいった。



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