WJ系
□家庭円満
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若菜の膝の上で寝ていた鯉伴は突然起き上がった。
「あら。どうしたんですか?」
「若菜。出かけよう」
「でも、リクオを一人にはできないわ。」
「んなの。首無にでも任せろ。行くぞ」
「はいはい」
思い立ったらすぐに行動する。
人の予定なんて聞いてない旦那に呆れつつも、いつも一緒にいても飽きない人だなっと暢気に思う。
首無にリクオを預けて二人は家をでた。
「どこに行くんですか?」
「考えてねぇーよ。」
「やっぱり・・・」
「若菜と二人で歩きたくなったってのはダメかい?」
ニッコリ笑いながら手を取ってくれる旦那にいつまでたっても慣れない。
妖怪の人間。
いろいろ問題もあったけど、一緒になれてよかったと本当に思う。
「鯉伴さんらしいわ」
「だろ?惚れ直したかい?」
「はい。」
それは何度も。
笑顔で答えると満足気に頷いて歩いていく。
何も会話はないが一緒にいて飽きないのはどうしてなのだろうか。
「今度はリクオも一緒に散歩するか」
「そうですね。三人で歩きたいですね」
二人の間に挟まれた息子を想像するだけでも幸せだ思ってしまう。
(どんなことがあっても私は貴方に付いて行きますよ)