WJ系

□ただいま確認中
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そう佐藤に言われた。


「な・・・そんなこと」

「僕でいいなら話聞くよ?」


このまま一人で抱えるのはしんどいもしれない。

悩みは人に言えば良いと言われたことがある。


「あのね・・・その・・・誰にも言わない?」

「もちろん、僕と若菜ちゃんだけの秘密だね?」


秘密。

そう言われて若菜は顔を紅くしながら鯉伴とのことを話した。

佐藤は大人しく聞いていた。

押し倒されたあたりの話は濁しながら話したが伝わったらしい。

その時だけ、『最低じゃん』と呟いていた。

若菜が話し終えた後に沈黙が続いた。


「ね、若菜ちゃん。」

「・・・?」

「その鯉伴さんって人のこと嫌い?」

「よく考えたらね。大嫌いってわけじゃないの・・・一緒にいたら楽しかったわ。たくさんわがままも言ったもの。でも。・・・恐いなって思ったのも本当なの。」

「うん。でも恐かったんでしょ?もう会いたくはないって思う?」

「会いたくないって・・・」


さよならして、もう会えないってことだ。

あの人と会えない?

もう一緒に帰れない。

それは自分がやめてくれとは言ったが。もう二度と帰れない。

一緒にお菓子も食べれない。

あの神社で二人階段に座って、もう食べることはない。

くだらない話をすることも。

あの大きな着流しを肩にかけてもらうことも。

笑顔を見ることも。

知らない世界を知ることも。

もう、ない。

二度と来ない。


「いいの?」






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