WJ系
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「若菜ちゃん、どうしたの?」
「え?」
「ぼーっとしるからさ」
「え?あ・・・そんなことないわ。」
「分からない問題でもあった?」
若菜がやっていたプリントを覗き込みながら佐藤が優しく聞く。
最近の若菜の日課は放課後、学校で勉強することだ。
鯉伴に押し倒されたあの日から若菜は家に帰るのをなんとか遅くしていた。
帰ればもしかしたら、鯉伴がいるかもと思うからで、実際はそんなことはない。
「大丈夫よ、ちゃんと出来てるず・・・」
「若菜ちゃんは頭いいからな〜。あ、そういえばさ。」
「何?」
「最近はあの髪の長い人見ないよね。どうしてるのか知ってる?」
「・・・知らないわ・・・」
「若菜ちゃんと仲良かったから。知ってるのかと思った。」
ドキリとした。
知らないのは本当だ。
気にならないのか?と問われれば、きっと即答で気になると答えるだろう。
でもどうしてそう思うのかが、分からない。
あの日の鯉伴の行動も、自分がわがままを言ったから怒った鯉伴が嫌がらせでしたと思っている。
思ってはいるのだが、それが本当のことなのかどうかが分からない。
(よくよく、考えたらあの時の鯉伴さんとても悲しそうな顔してたわ)
でも、どうしてなんだろ・・・
最近そのことばかり、考えてしまう。
佐藤といてもそうだった。
そんな時だ。
「・・・何かあったんでしょ?」
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