WJ系
□僕と友達が彼に始めてあった話
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「どうしたんじゃ。若菜さん」
「あの・・・バスにリクオが乗ってるかもしれないの・・・」
「なんじゃと!」
「若が!!!」
「い・・・今から現場に言ってみます・・・」
「妖怪らにも向かわせようか?」
大丈夫ですよ。と気丈に笑うも内心は不安でどうにかなりそうだった。
若菜は簡単に身支度するために部屋へと戻ろうとして、眠ったままのわが子の部屋の前を通った。
眠ったままのわが子。
先に逝ってしまった夫。
そして、事故にあって生死不明のわが子。
「あ・・・どうしたらいいのかしら・・・」
眠ったままのわが子の部屋に入り、眠ったままのわが子の頬を撫でた。
「リクオが・・・リクオがいなくなったら、どうしたらいいの?」
あなただけでもいいから目を開けて。
大丈夫だと言って。
若菜はそんな思いを込めて、わが子に抱きついた。
「リクオが・・・死んじゃう。」
「・・・・誰が・・・」
「!!!!」
「おい、誰が。死ぬって?」
「・・・・」
信じられない。
眠っていたはずのわが子が金色の瞳をしっかりと開いてこちらを見ていたのだ。
その目は、先代にそっくりで。
若菜は急に安心できた。
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