WJ系

□ただいま失恋中
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さて、大妖怪の二代目。

組を大きくした『奴良組の最強』である鯉伴は布団の中で泣いていた。

いくらなんでもアレはなかった。

絶対に言いすぎた。

もっとこう、いつも女に言うみたいに


『俺と一緒にいるのに、他の男の話なんて妬けるぜ』


とでも言えばよかったのに。


(いやいや。恥ずかしくって言えるわけねーよ)


他の女とは違うからそんな歯の浮くような台詞は出てこない。


(でも。あんな言い方って)


これは絶対に嫌われたな。

もう、顔も見れないかもしれない。


「終わった・・・」


こんな事になるなら、ダメ元でも一回だけでいいから抱いとけばよかった。


「なんじゃい。女々しいのう。女一人、口説き落とせんぐらいで情けない」

「その辺の女とは違うんだよ。若菜は」

「同じじゃろ?」

「うるせーな。」


父であるぬらりひょんは鯉伴の上に座って笑っている。


「お前はヘタレじゃのぅ」

「・・・ほっとけ」

「心配してるんじゃぞ?」

「おもしろがってるくせに」


今までの息子を見てると「女一人に」となるのだが。

今回はどうも違うらしい。

布団の中でウダウダ言ってないで出でこればいいものを。

と、思うのだが、言いはしない。


「他のに盗られるぞ」

「もう、盗られて・・・俺の若菜なのに」

「・・・ダメだな、こりゃ」


これは本当にダメなのかもしれない。

ぬらりひょんはため息を付いた。







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