WJ系

□ただいま失恋中
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鯉伴が消えた後を若菜は呆然と見ていた。


「怒ってたのかしら?」


でも、一体何故?

ただ、いつものように話ていただけなのに。

やっぱり、話過ぎたのが原因なんだろうか。

でもいつもは『たくさん話て欲しい』って言うのに。


「う〜んっ・・・」


若菜は一人唸っていた。


「あれ?若菜ちゃん?」

「え?」

「珍しいね。一人なの?」

「佐藤くん!!!!」


ぽんっと肩に手を置かれたので振り返ると爽やかな笑顔の佐藤くんがそこにいた。

急に心臓が早くなる。

胸に手を当てて、若菜は佐藤くんを見た。


「あの、いつもは隣にいるお兄さんがいないけど。どうしたの?」

「・・・先に帰っちゃって」

「そっか・・・なら、一緒に帰らないかな?僕も家こっちなんだ。」

「いいの?」

「うん。・・・若菜ちゃんが迷惑じゃないなら」


迷惑なはずないのに。

爽やかな笑顔を向けられて若菜は赤くなりながらも頷いた。


(もしかして、応援してくれてる?)


好きなら一緒にいろ、と暗に言ってくれていたのではないのか?


(きっと、そうかもしれないわ。今度、お礼を言わなきゃ!)


全く、違うのがだ若菜は嬉しそうに佐藤くんの隣を歩いた。


「これからさ、もしお兄さんいなかったら一緒に帰ってもいいかな?」

「うん!!!」


これは本当に感謝しなきゃと若菜は考えていた。







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