WJ系
□ただいま初恋中
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「おう、若菜。ぐ・・・偶然だな!」
「あ・・・鯉伴さん・・・」
いつもなら『偶然って昨日も来てたじゃないですか!』って笑ってくれるのに。
今日は元気がない。
若菜は今年で中学2年生になった。
妖怪ではもう成人なのだが、人間ではまだ子供なので鯉伴は地道にストーキン・・・じゃなくって偶然、帰りに居合わせたりもしていた。
「どうした?何か嫌なことがあったのか?」
「ううん。違うの。そうじゃなの」
「なら、なんだ?嫌な奴がいるってのか?」
「そうでもなくって・・・その・・・」
「あ。若菜ちゃん。また明日ね。」
ぽんっと軽く若菜の肩に手を置いて去っていく爽やかな少年。
鯉伴はその少年を『俺の若菜に触るなオーラ』を出しながら威嚇する。
一方の若菜はと言うと真っ赤になりながら手を振っていた。
「ったく、なんだってんだ。若菜、帰るぞ」
と、さりげなく肩に手を回そうとしたときだった。
若菜が急にしゃがみこんだ。
「若菜!!」
「どうしよう・・・私、変な顔してなかったかな?髪とかゴミ付いてなかったかしら。あぁ、鯉伴さん、どうしよう!」
「な・・・何がだ?」
「わたし、どこか変なところなかった?」
「い・・・いや。いつもと一緒で可愛いけど・・・なんだ?」
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