WJ系

□ただいま初恋中
1ページ/6ページ


「おう、若菜。ぐ・・・偶然だな!」

「あ・・・鯉伴さん・・・」


いつもなら『偶然って昨日も来てたじゃないですか!』って笑ってくれるのに。

今日は元気がない。

若菜は今年で中学2年生になった。

妖怪ではもう成人なのだが、人間ではまだ子供なので鯉伴は地道にストーキン・・・じゃなくって偶然、帰りに居合わせたりもしていた。


「どうした?何か嫌なことがあったのか?」

「ううん。違うの。そうじゃなの」

「なら、なんだ?嫌な奴がいるってのか?」

「そうでもなくって・・・その・・・」

「あ。若菜ちゃん。また明日ね。」


ぽんっと軽く若菜の肩に手を置いて去っていく爽やかな少年。

鯉伴はその少年を『俺の若菜に触るなオーラ』を出しながら威嚇する。

一方の若菜はと言うと真っ赤になりながら手を振っていた。


「ったく、なんだってんだ。若菜、帰るぞ」


と、さりげなく肩に手を回そうとしたときだった。

若菜が急にしゃがみこんだ。


「若菜!!」

「どうしよう・・・私、変な顔してなかったかな?髪とかゴミ付いてなかったかしら。あぁ、鯉伴さん、どうしよう!」

「な・・・何がだ?」

「わたし、どこか変なところなかった?」

「い・・・いや。いつもと一緒で可愛いけど・・・なんだ?」








次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ