WJ系
□晴れ舞台は一度きり
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家に帰る時に若菜に雑誌を借りて帰り、部屋でペラペラと捲っていた。
それを見ていた妖怪どもは「あの二代目がついに書籍を!!」や「いや、やっと帳簿に興味が!!」と騒いでいた。
(ドレスね・・・)
今だ、横文字にはなれないが若菜が熱心に見ていたページを眺める。
ふわふわの白いレースやぴったりとしたラインのドレス。
(きっと何着ても似合うんだろうな〜)
ぼんやりと思い浮かべて、にやける。
「失礼します。二代目」
「おう、首無し。いいところに来た。ちっと付き合え」
「はぁ・・・何か?」
「若菜にどれが似合うと思う?」
「若菜様に・・・ですか?」
部屋に入ってきた首無しに雑誌を突きつけて聞く。
首無しも江戸時代の人である。
あまり、西洋の服は好きではなかった。
のだが、それを今目の前で目を輝かせている人に言ってはいけない気がした。
目についたドレスと指指す。
「これですかね。」
「・・・これな・・・」
「何か?」
「いや・・・首無しらしいと思ってな。・・・やめだ、やめ。直接、聞くことにしてやらぁ」
「・・・(私に聞く意味ないじゃん)」
軽い足取りで部屋を出て、電話をかける。
昔にはなかった便利機械。
家では鴉天狗か鯉伴しか使っていないハイ
テク機械である。
「あ、若菜か?」
『うん。どうかしたの?』
「明日、空けとけ。」
『??わかった』
それだけ言うと鯉伴は上機嫌で電話を切った。
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