WJ系
□一方的すぎる片思い
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「やぁ。リクオくん」
「えっと・・・玉章さん・・・?」
「覚えてくれていたのかい?嬉しいね」
バウっとその足元で小さな犬がほえた。
下校途中。
いつもなら氷麗と一緒に帰るのだが、今日は氷麗に用事があるとかで先に帰らしてゆっくりと、久しぶりに一人で下校していた。
そんな彼に声をかけたのは先日、手打ちをしたばかりの四国の大妖怪の跡取りである玉章だった。
「今日はどうしたんですか?」
「いや。ちょっと君の顔を見たくなって・・・今帰りかい?」
「はい。ちょっとココから遠いんですけど、歩いて帰りたい気分で」
「・・・危ないと思うよ。いくら君でも。ちょうど、君の家にも用事があったから。送っていくよ。」
「そんないい「さ、乗りな」
「・・・はい」
断ってはいけない。
そんな雰囲気に呑まれて、リクオは彼が乗っていたであろうリムジンに乗り込んだ。
漆黒のリムジンは滑るように走り出した。
「さ、リクオくん。」
「はい?」
「これは四国の名産。ポンジュースだ、飲むといい。」
「こ・・・これが!!!わ〜い。いいんですか?」
「あぁ。」
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