WJ系
□障子に耳あり壁に目あり
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ぐさりっと図星をつかれて、真っ赤になって叫ぶ。
若菜はそんな若を見て、ますます笑みを浮かべた。
「見てたらわかるわよ。」
「・・・・知ってんなら、話は早ぇけど。いいのか?」
「何が?」
「息子が息子に手ェ出すのだよ。オレたちの場合。もっと違うけどな」
「いいんじゃないの?好きなんでしょ?今はそうでも将来は違うかもしれないでしょ?」
「それはねぇ。オレはアイツだけだ。」
真剣な顔でそう言われると困ってしまうのだが。
若菜はそうなの?と若の頭を撫でる。
久しぶりの子供扱いに若は大人しくなった。
「それでもね。私はあなたたちが幸せならそれでいいのよ。組のことなんて任せなさい。」
「お袋・・・」
「だから、ちゃんと想いを伝えなさいね?」
「当たり前だ。オレがアイツを幸せにする。誰にも譲らねぇよ」
「なら、お酒は控えなさいね」
「あ!!!」
酒を手に部屋に帰った母を見て、やられたと若は苦笑した。
すっと、襖を開けると耳を真っ赤にしたリクオが蹲っていた。
若菜はふふっと笑うと声をかけた。
「聞いてたの?」
「うん・・・」
「両想いじゃない。よかったわね」
「うっ〜・・・恥ずかしい」
「ま、悩みなさい。」
「!!!リクオ!!!」
「うわっ。もう、母さん!!!」
二人の息子がお互いに顔を真っ赤にして慌てている姿を見て満足気に笑った。
END