WJ系
□二代目の嫁
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「ね、お母さん」
「なぁに?」
「僕はね、お母さんとおじいちゃんとみんながいるから寂しくないんだ。・・・お父さんがいないのは寂しいけど。」
「お母さんも。リクオとおじいちゃんがいるから寂しくないわ」
あの人は私に幸せをくれた。
この家のみんなに幸せを貰った。
あの人が守りたいと思ったものを今度は私が守ろう。
守りたい。
「若菜さんや。今日はちょっと休みなさい。体に障るじゃろ」
「あら?大丈夫ですよ。それより。お義父さんこそお休みになってください。」
「若菜さん。・・・すまん」
「え?」
「わしは・・・若菜さんにまで背をわせてしまった。すまん」
「お義父さん・・・そんな」
「“お義父さん”なんて呼ばれる資格なんてないのやもしれんのう。」
いつもよりもやつれていた。
私よりもお義父さんの方がつらいはずだ。
お義母さんも早くになくなっていると聞いた。
申し訳なさそうにうな垂れているお義父さんに笑いかけた。
「資格なんてそんな・・・私だって『二代目の女房』なんて言われる資格なんてないですよ。」
「そんなことはないぞ。若菜さんはよくやってくれてる。」
「そうですか?」
「あぁ。そうじゃ、さすがアイツの選んだ女だ」
そう言ってお義父さんも笑ってくれた。
よかった。
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