WJ系

□後ろ姿にはあの人が
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「若菜様!!!」

「あらあら。みんな元気ね」


小さな体に似合わないような大量の洗濯物を抱えて屋敷の中を駆け回っている妖怪らに優しく声をかけている。

夫を亡くして、右も左も分からないのに妖怪の大任侠の世界に足を踏み入れてしまった人間の女。

首無はニコニコ笑いながら歩いている若菜を見つめていた。

先代が山吹乙女と別れて初めて惚れた女。

先代が何よりも守りたいと思った人。


(私にとっても大切な人だ・・・)

「あら?首無さん。」

「若菜さま。半分お貸しください。お持ちします」

「そんなの悪いわ。それに首無さんは全部持ってしまうもの。」

「そう・・・ですが・・・」

「じゃあ・・・これだけはお願いね。」


腕に渡されたものは若菜が持っていた山の3分の1だけだった。

不満の声をあげようかと若菜を見れば嬉しそうに笑っているので首無も笑ってしまった。


「今日もいい天気ね」

「そうですね。」

「洗濯物が早く乾きそうだわ」

「取り込むのは任せてください。」

「ダメよ。首無さんは強くってカッコいいイメージなのよ?洗濯物を取り込むなんてダメ。」


そんな強く否定しなくってもいいじゃないかと軽く凹む。






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