WJ系
□ただいま誤解中
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夕飯を終えて、鯉伴は一人ふらりと出て行った。
毛倡妓が話そうと声をかけるがさっさと消えてしまった。
「まったく、二代目は」
「どうかしたのかの。」
「総大将。あのですね。」
先ほど、送り届けた少女と二代目にあったことは話せば急に顔が険しくなった。
毛倡妓はびくっと身をこわばらせた。
ぬらりひょんは出かけるとだけ言うと、家を出て行った。
「紀乃。どうしたんだ。」
「首無・・・二代目ってロリコンだったのかしらね。」
「・・・なにコン?」
「・・・知らないならいいわ。それより、二代目が女の子を連れててね。」
「それはいつものことだろ?」
「それが、いつもとは違う様子でね。しかも、その子人間だったのよ。」
もうびっくりしたわ。と言うが声にびっくりしたなんて響きはない。
首無はそうかと適当に流した。
「それより、最近二代目は『若菜』って子に本気らしいぞ。」
「え?今日の子の名前聞いたら若菜だったけど?」
一瞬の沈黙。
「紀乃、詳しく話せ。」
「端的に言えば、二代目は無理矢理事におよぼうとしてたわね。」
「・・・その子は幼女か?」
「幼女だったわ。」
二人は無言で考えて、二代目と総大将と同じように家を飛び出した。
とにかく、その子の誤解を解きに行かねば、あの人の女遊び癖がまた再発してしまう。
それだけは嫌だ。
二人の気持ちは同じだった。
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