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□スカート丈はひざ上
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 私のクラスの学級委員は対人恐怖症だ。
入学式初日に人の目に酔って、嘔吐したこともある。
人前でしゃべるのは苦手なのに、担任の春彦先生が『決める日に来てない奴が悪い』と鬼みたいなことを言って、学級委員にさせられていた。
それでも彼―薩摩 薫(さつま かおる)くんは頑張ってこの3カ月学級委員として働いていた。
「薩摩くんってうなじ綺麗だよね。」
「はぇ?」
私、松露 華(しょうろ はな)の前の席に座っている我が学級委員のうなじを見つめてため息を一つ。
日に焼けてない真っ白なうなじが彼の地毛である灰色がかった髪の間から覗いている。
それがなんとも色っぽい・・・男子に色っぽいって誉め言葉になるのかな?
見ていて、思わず言いたくなったので社会の授業(只今、飛鳥時代です)中に呟いた。
すれば、薩摩くんはすんごい勢いで振り返ってくれた。
「うわ!!!!」
「なんか言った・・・よね?」
「ううん。言ってない。言ってないからね!うん」
「でも・・・」
授業中なのでぼそぼそと声をかけてくる薩摩くんの口元を見ているのが楽しい。
なんかもにょもにょしているのが可愛い。
にやにやしちゃうな〜と、しまりのない顔で見つめていた。
会話していても絶対に目が会うことがない。
って、いうか。
会わせてくれあいので見れないし、彼の愛用の眼鏡はぶ厚いビン底眼鏡なので光の反射具合で瞳を見ることはできない。
「そこ。授業中に話をしない!!!」
「すっ。すみません。」
「は〜い」
「まったく・・・もう」
そんなに話てはいないはずなのに、怒られた。
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